令和7年5月文楽公演 第一部『芦屋道満大内鑑』シアター1010

令和7年5月文楽公演 第一部『芦屋道満大内鑑』シアター1010

北千住の「シアター1010」で令和7年5月文楽公演 第一部『芦屋道満大内鑑』を拝見しました。

配役

令和7年5月文楽公演 第一部『芦屋道満大内鑑』シアター1010

鷹が可愛い「加茂館の段」から、主人公の保名と榊の前の密会により大問題に発生、自害しようとして榊の前に脇差しを奪われるのもどうなのか。その後、急に笑い出す場面は客席も凍り付く狂気。精神的に弱い人のよう。その後の悪事が露見してからの与勘平の加茂の後室の注連縄で吊るして殺す裁き方はなかなかに残酷です。「保名物狂の段」は、清元の保名の理解がとても深まる段ですが、文楽の物狂いはそこまで印象的ではない。悪右衛門にボコボコにされたまた自害しようとする保名の気持ちが理解できず。「葛の葉子別れの段」は文楽で初めて拝見、歌舞伎は早替わりと歌を直接書き付ける場面が見所ですが、文楽は全く同じ顔の登場人物が出せるのが強み。「恋しくば たず祢きてみよ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉」の一首も戸が開くと既に障子に書かれており、表現がシンプルなだけに子別れの場面はより感動的に。千歳太夫さんのいつもより抑えた語りも良い。最後は楽しい「信田森二人奴の段」、暴れ回る与勘平と野干平、二人が出会いどっちが本物か揉める場面も面白い。吉田玉佳さんの遣う与勘平の鷹揚とした伸び伸びした雰囲気が素敵過ぎる。二人奴が駕籠を差し上げる場面が、三人遣い発祥の場としても有名だそう。差し上げられた駕籠の上に乗りはしゃぐ童子が愛嬌あります。来週の第二部、第三部も楽しみです。

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