
高輪ゲートウェイでMoN歌舞伎「京鹿子娘道成寺」を堪能した後、浅草ロック座で「百物語 第一期」を拝見しました。
1景「茨木童子」黒城レイ(南まゆ、ダンサー4名)
怪しげな役はぴったり、盆上に渡辺綱に切られた右腕、それを拾いにくる茨木童子、右腕が白い気に覆われ完全に鬼の手になり復讐が始まる。ダンサーは連獅子風のやや短めの白鬘で、毛振りっぽい振り付けも。1景らしい勢いの付く舞台。
2景「パラノイア」友坂麗(結城心、早乙女らぶ、樋口みつは)
舞台上に赤いソファーとランプ、メガネでパジャマ姿の友坂さん。3人のランプお化けが可愛い。しかもライトが付く。ストロボとレーザーの使い方も格好良い。後半は黒のレース下着に赤いハイヒール、悶絶系のダンスが似合う。スイッチで妄想が消灯できるなら楽。
3景「お菊人形」白橋りほ(黒城レイ)
金髪で青い衣装の黒城さんが人間のお菊、黒髪で赤い衣装の白橋さんが人形。仲良く楽しそうに遊んでいるもののお菊は病気で死に、人形の髪は伸びる。ロボットダンスならぬ人形ダンス、たまに見せる貼り付けたような笑顔が怖い。
4景「六条御息所」樋口みつは(早乙女らぶ、ダンサー4名)
舞台上には車争いを連想される2つの牛車の車輪。金髪、白に青のグラデーションの衣装が葵上の早乙女らぶさん、黒髪、黒に赤のグラデーションの衣装が御息所の樋口さん。ダンサーは薄布を頭からかぶった亡霊風。自分の気持ちでは葵上を恨むつもりはないのに、生き霊となり祟ってしまう。自分が何者かわからなくなる怖さ。鏡には写るのはどんな自分なのか。
5景「金田一耕助の冒険」結城心(南まゆ、樋口みつは、白橋りほ、黒城レイ)
『犬神家の一族』から犬神佐清、小竹、小梅、シュールな人形、『八つ墓村』から多治見要蔵氏も参加、今回唯一のコミカルな景、白橋さんと黒城さんの小竹小梅が似ていて面白い。後半は黒いチューリップハットに裸袴が興味深い。最後の名場面から着想のポーズもしっかり、初めて拝見しましたが、笑顔がチャーミングな結城心さんでした。
6景「隅田川」早乙女らぶ(友坂麗)
笛の音に続き「此道のほとりに築きこめて、しるしに柳を植えてたまはれ‥」という能楽の『隅田川』の謡から、舞台に柳の木、手に持つ枝は狂女を示す笹のよう。やや表現し過ぎなような気もしましたが、新しい早乙女らぶさんを見る。
7景「高野聖」南まゆ(友坂麗、結城心、白橋りほ、ダンサー4名)
泉鏡花の短編小説『高野聖』より、疲れ果てた高野聖が、山中の荒屋に一夜の宿を求めた時に出会った妖しい女性。谷川で女性に体を洗ってもらった男は馬や蝙蝠、蝦蟇になってしまうという恐ろしい話。鳥獣の声、後ろから赤い照明で照らされた障子の裏に女性の影、舞台上には赤い長襦袢が吊るされている。3人の女性に翻弄される男役がダンサーの方々、胸の下から着た花魁着物風衣装がセクシー。聖役の友坂さんも流石に抗えず、念仏すらも効果がない模様。後半は、袖にファーの付いた白い衣装、水の流れるBGM、ここまで露出が多く官能的な南まゆさんの景は初めてかも。やはり体の曲線が美しい。
フィナーレ「百物語」
百物語と「かごめかごめ」風の群舞、BGMが怖い。現れたのは烏っぽい衣装の南まゆさん、頭の後ろに能面の「小べし見」。早乙女らぶさんのメンバー紹介も感情を押し殺して。歌舞伎の『茨木』、能の『葵上』『隅田川』など古典芸能好きには嬉しく、夏にぴったりの涼しい舞台の連続、第二期も楽しみです。

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