歌舞伎座にて七月大歌舞伎 第三部『風の谷のナウシカ 上の巻―白き魔女の戦記―』を拝見しました。米吉君の歌舞伎座での初の大役なので、とても楽しみ。
配役
クシャナ:尾上菊之助(音羽屋)
ナウシカ:中村米吉(播磨屋)
アスベル/口上:尾上右近(音羽屋)
ケチャ:中村莟玉(高砂屋)
幼き王蟲の精:尾上丑之助(音羽屋)
幼きナウシカ:寺嶋知世
ラステル:上村吉太朗(美吉屋)
クロトワ:中村吉之丞(播磨屋)
ミト:市村橘太郎(橘屋)
トルメキアの王妃:上村吉弥(美吉屋)
ジル:河原崎権十郎(山崎屋)
城ババ:中村萬次郎(萬屋)
チャルカ:中村錦之助(萬屋)
ユパ:坂東彌十郎(大和屋)
マニ族僧正:中村又五郎(播磨屋)
物語は初演の「昼の部」と同じですが、二幕目「悪魔の法の復活」がカットされ、新たな部分が追加されている感じでしょうか。幕開きの腐海を飛び交う虫たち、それに続き「風の谷のナウシカ」のタイトルが表示されるとナウシカファンとしては、既に涙腺が緩みます。すっぽんから登場した米吉ナウシカとテトの出会いの場面から。菊之助さんと比べると優しいナウシカ、強さや動きの機敏さがもう少し欲しいですが、可愛いから問題なし。頭の帽子や銀の兜も前回よりアップグレードしていて格好良い。ユパ様は今回は彌十郎さん、格闘場面はややもったりですが、風格あり素敵。アスベルとの出会いやら色々あった後、土鬼が王蟲の大群でトルメキア群を攻撃する有名な場面からは義太夫が入ります。王蟲との交流は胡弓の演奏で二人舞。丑之助君、いい感じ!2人一緒の衣装のぶっ返りも良く、ちょっとグッと来てしまいました。金色の野の地道な表現も面白い。最後は王蟲の触手を金色の蜘蛛の糸で表現、ここは、もう少し盛大にやっても良かったかな。王蟲の声は前回と同じ中車さんでした。
二幕目、幕開き、クシャナとクシャナの母のシーンから、前回はなかった気がするこの場面があるとクシャナの心理がわかりやすく、正体がバレたクロトワの、弁天小僧風の開き直りも楽しい。幼きナウシカ役の寺嶋知世さんは初舞台、短い場面ですが、重要な場面、ナウシカの母役の中村芝のぶさんも気品がありお美しい。しかし後半展開早いな。米吉君が一度「クワトロ」って言ってたけど、その間違い、解ります。もしやガンダム好きなのか。ナウシカを守ったカイが死ぬ場面は泣いちゃう。トリウマも前回より進化していていいね。最後の米吉くん始めてのメーヴェでの宙乗り、客席に手を振りながら、ちょっとバランス崩す場面もありましたが、だんだん小慣れてくることでしょう。あと気になったのは米吉君の笑い方かな。古典でも笑うシーンはあるけど、現代劇で全然違うから難しいのかも。菊之助さんの自然な笑い方と比べると、ちょっと違和感。しかしながら精一杯頑張ってて米吉君、最高。題名からクシャナが主役かと思ったら、やっぱり主役はナウシカで良かった。慣れたためかナウシカ役が米吉君だったためか、初演時より楽しかったな〜。別日のチケットも取っとけばよかったな〜。後半は10月?とても楽しみです!
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