渋谷・コクーン歌舞伎 第十七弾『夏祭浪花鑑』シアターコクーン

渋谷・コクーン歌舞伎 第十七弾『夏祭浪花鑑』シアターコクーン
初めてのコクーン歌舞伎を拝見しに渋谷Bunkamuraへ。セルリアンホテルから移動して気づいたら神泉にいました。渋谷苦手。一番後ろの席だったのですが、思ったより舞台に近くて見やすい。歌舞伎座の2階席とは全然違い、しかも両隣、前2列は使用されておらず広々。しかし見終わった後に思ったのは、1階のなるべく舞台に近い席で見た方が、この舞台は絶対に面白いだろうなということ。そしてこれも見終わった後に知ったのですが演出の串田和美さんって男性なのか!和美=かずよしって読むのね。

配役
団七九郎兵衛:中村勘九郎(中村屋)
団七女房お梶:中村七之助(中村屋)
一寸徳兵衛/徳兵衛女房お辰:尾上松也(音羽屋)
玉島磯之丞:中村虎之介(成駒家)
団七伜市松:中村長三郎(中村屋)
傾城琴浦/役人左膳:中村鶴松(中村屋)
三婦女房おつぎ:中村歌女之丞(成駒家)
三河屋義平次:笹野高史
釣船三婦:片岡亀蔵(松島屋)

最初は「住吉鳥居前の場」からですが、開演前より幕は開いており、10分くらい前から街の人が普通に仕事していたり、子供が遊んでいたりしているのは面白い演出。期待が高まります。現在の閉塞感のある状況を踏まえてのことでしょうか、出演俳優が神主さんを囲んでの祈願から始まり。通常歌舞伎の『夏祭浪花鑑』は見ていませんが、内容は分かりやすい。

亀蔵さんの赤旗の件は爆笑。「釣舟三婦内の場」はまさかの眠気。松也君のお梶の声が嗄れていて残念、徳兵衛は問題無し、お尻が可愛らし。花道(らしきもの)が短いので動きがちょっと窮屈そう。義太夫と役者の台詞がかぶるとか、台詞のかぶせ方とか現代劇っぽい。幕間の和太鼓、笛、鉦の演奏が格好良い。特に和太鼓の上田秀一郎さんの屈強な肉体美と時に力強く、時に繊細な演奏は男でも惚れる。下手前列の方、裏山。そして笹野さんが巧い!発声の仕方が歌舞伎役者と違うのかな。自然です。メイク、「泥場」の迫力も素敵。72歳であれだけ動けるのは凄い。だんじりの登場の仕方も良かったし、駐車場に消えていくのも良い(川島雄三監督の映画『幕末太陽傳』のもう1つのラストシーンを想像)。ただ明かりが顔ピンスポと蝋燭になるので、2階からだと表情が見えにくい。最後の立ち回りはミニチュアときたか。人形振り?ここで笑いが必要だったのかな。最後は突如出現した巨大扉に阻まれるも、中徳兵衛と二人で逃亡で幕切れ。七之助さんの出番少なかった。最後は客席も一緒に大阪締め、仕切りは歌女之丞さん、亀蔵さんでした。

面白かったのは面白かったのだけど、期待が高すぎたのか、そこまでの感動は得られず。しかし、こんな時期に、熱く、鮮度の高いお芝居を見られれたことは良かった。来月の「六月大歌舞伎」も楽しみにしています!

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