「とんかつ はせ川」両国 - 「燗酒嘉肴 壺中」湯島

朝から両国「江戸東京博物館」の『大浮世絵展』、15時から浅草公会堂で『新春浅草歌舞伎』という訳で、珍しく1日中央区から離れることに。色々なお店にお伺いしました。

『とんかつ はせ川』
江戸東京博物館のJR両国駅を挟んで反対側にあるとんかつ店、展示を見終わり、鼠小僧の墓がある「回向院」を散策し、開店15分前にお伺いすると既に10人ほどの待ちにびっくり。40席ほどあるようですが、開店時間にはすでに二巡目の待ちが出る状態。大人気。注文したのは珍しい「しそひれかつ」、中に紫蘇の葉が挟んであります。豚肉は平田牧場の三元豚使用ですが、肉はややパサつきあり、甘味も不十分な印象。そういえば平田牧場はあんまり良いイメージが無い。普通のひれかつ頼んだほうが良かったかも。残念。

その後、両国から徒歩で浅草へ、両国駅の側から隅田川沿いに行こうとしたら交通整理っぽい格好のおじさんに止められる。工事中でここからは行けないらしい。仕事ではありますが、優しい声色、寒空の下、時間を無駄にさせない大切なお仕事に感謝しつつ、途中「旧安田庭園」などを冷やかし、川沿い「隅田川テラス」へ。ここを歩いていても見るべきものは堤防に描かれた近隣学校の卒業制作くらいしかないので、厩橋を渡り反対側へ。川に沿って細い道を歩いていると小さな靴屋、ビール醸造所、屋形船のお店、急傾斜の赤煉瓦の可愛い建物、ナベノイズムってこんな所にあんのねっ。っと色々楽しく歩いていると浅草到着。開演2時間前、歩いてみると東京23区(江戸)は以外に狭いなと思います。時間があるので、人混みを避け浅草寺の裏側をぶらぶらしていると見覚えのあるショートケーキの描かれた看板発見。

『ラ・パティスリー・ドゥ・ナツ La Patisserie de Natsu』
ちょっとした知り合いのパティシエなつさんのお店、あれっ?前はかっぱ橋の近くにあったような?不思議に思い入ってみると久しぶりのなつさん、お元気そうで何より。前の物件が建て替えのため、2018年6月こちらに移転されたそう。なんて偶然!ハリネズミのクッキーとかも気になるものの、やはりケーキ。シンボルの「ショートケーキ」と「モンブラン」を購入。イートインスペースはないので、近くの富士公園でいただきます。通常よりも小さい可愛いサイズ、質の良い素材を使用した優しく体に負担のかからない手作りケーキ、なつさんのお人柄が現れておりとても好感がもてます。染み染み美味しい。

『こーひーや ころろ』
コーヒーが無性に飲みたくなり公園前にあった喫茶店へ。私より年上の女性がお一人で切り盛りされており、近隣住民の休憩スポットとなっているよう。お勧めのブレンドコーヒーを注文。豆はキーコーヒー。丁寧に入れていただき、よかったらとカラフルな花林糖付き。コーヒーがとても美味しい。薄めの味わいではありますが、均整が取れており優しくホッとするコーヒーです。お店の雰囲気も落ち着く。コーヒー飲んだ後は殺菌効果があるからと風邪予防の熱い緑茶が嬉しい。また塩バームクーヘンをいただきにお伺いしてみたいです。

『アサクサカフェ Asakusa Cafe』
そして歌舞伎の幕間には、すぐ近くのこちらへ。前もコーヒーをテイクアウトでいただいてお気に入りです。お値段はやや高いですが、公会堂内のものより圧倒的に美味。テイクアウト用のあの小さい飲み口から飲むと「熱っ!!」となる場合はほとんどですが、こちらは飲みやすい温度で計算されているのかもしれません。今日も美味しいコーヒーでした。どちらの喫茶店もそうでしたが、お店を出る際の「ありがとうございました〜」の声がとても大きい。

『燗酒嘉肴 壺中』
歌舞伎鑑賞後は、銀座線で浅草から上野広小路へ、そこから歩いて湯島の、銀座の居酒屋で一緒になったご婦人に教えていただいたお店へ。湯島天神のある大きな春日通り沿い、看板が無いので一旦通り過ぎるも気づき、無事到着。お店に電話が設置されておらず、辿り着けずに諦める方も多いそう。ドアを開けると徳利が飾られ、座敷の小上がり、奥がカウンター席。ほの暗い店内、隙の無い店内、土壁やアンティークも素敵、銅製の酒燗器も格好良い。

いただいたのは以下。
摘み「辨天娘の酒粕のなら漬」「にしんの山椒漬け」「天神コロッケ」「大徳寺納豆」「チーズ」
酒「辨天娘 純米 玉栄 29BY」「小笹屋竹鶴 純米 生一本」「ジン ショリゲル」

「天神コロッケ」は油揚につみれのような具を包んだもの。揚げ物と言えば揚げ物。クイズ形式で出してくれましたが、正体が全然分からず困った「大徳寺納豆」、そういえば『銀座しのはら』でゴマ豆腐に乗せて出してくれたっけか。日本酒はお燗でいただきますが、出てくるのが遅いなと思ったら、大変にゆるりと温度を上げているよう。器も良いし、安定の丸っこい旨味のあるお味。素晴らしい燗付けです。しかし竹鶴のアルコール度数19度、最近度数の高い日本酒は苦手になってきている。本当は割水して欲しいくらい。日本酒以外にもワイン、ジンもお勧めのようで、ご主人が説明してくださった3種類の中から「ジン ショリゲル」を選択。こちらはスペイン東のバレアレス諸島、メルノカ島マホンという小さな街でジュニパーベリー、アルコール、水のみから製造されているもの。ジンは後味が好きでなく、色んなフレーバー的なものが入っているイメージでしたので、まずは基本のものから。妙な甘ったるさがなく、雑味の無い味でキリッとした喉越し。日本酒と同時に飲んでも違和感がないというお言葉通り。しかし世界を広げ過ぎると、自分の容量的にわやなので、今は日本酒のみでいい。全体としては、こだわってる感、自意識のようなものが出過ぎており少し苦手かも。ただ、とても素敵なお店ではありますので、また機会があればお伺いしてみたいものです。

帰宅してお気に入りの日本酒「にいだしぜんしゅ 燗誂」で一息。14%という度数、価格とともに家飲みには最高のお酒を、中里隆さんの種子島焼きのお猪口で一献。愛用の卓上酒燗器「ミニかんすけ」君もそう悪くないと思う。少し長く、充実した1日でした。

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