月亭方正さん主催の落語会、方正さんは「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」などのテレビ番組で拝見はしているのですが、落語を聞くのは初めて。他の3名の方も初めて聞く方々でした。ちなみに「やみ鍋の会」出演順はくじ引きで決められるそうです。こんなご時世なので、入りは6〜7割ほど。その9.5割がマスク姿です。
「のめる」笑福亭瓶二
笑福亭鶴瓶さんのお弟子さん、髪型もちょっと似ていますね。「のめる」と「つまらん」が口癖の二人が、口癖を言ってしまったら罰金千円というルールを作って、対抗し合うお話。聞く機会の多い定番的な落語。堅実な語り口で楽しめました。
「全くの逆」桂三四郎
桂文枝さんのお弟子さんだそう。まくらの「マスクが無いからティッシュをセロテープで顔に貼ってるおばさん」とか「祈ってるおじさん」の話も面白かったですが、新作落語も楽しい。私もマスクをしていたのですが、笑ってる気が半減するので外します。上司の「朝から何にも飯食ってないから腹減ったな」という問いに対し、部下が「僕は全くの逆で、全然お腹空いてないんです」と答えたことから始まる「全くの逆」のお話。上司の考えでは「朝から何にも飯食ってないから腹減ったな」の全くの逆は「夜までパン飲み続けてるから背中増えた」。流れで長文を話されると、最初、特に「背中増えた」意味がわからないのですが、少し考えるとだんだん可笑しくなってきます。「ライオンキング」の全くの逆は「タイガーホームレス」とか「右利き」の全くの逆は「左効かない、もしくは利き手無し」とか無理やり上司の説明に対する部下の突っ込みが笑える。見る側にも考えさせる現代的なよく出来たお話でした。三四郎さんの言い方と表情が上手い!
「阿弥陀池」鈴々舎八ゑ馬
出てきた瞬間に面白い雰囲気を発している方。まくらは「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の方正さんのドッキリ企画に参加した時の話。方正さんがクリス松村さんを好きになっちゃったというドッキリ。人の良い瓶二さんに対して、その状況を楽しむ八ゑ馬さんの性格の悪さが面白い。あんなに同情していたのに、方正さんに「帰れ」と言われたら、すぐに帰ろうとする瓶二さん、と落とす所も良い。落語は「ぬかに釘」を「ぬかに首」などあまり面白くない駄洒落をどう面白く演じるかが難しい。人から聞いた話を、すぐに他に人に話したくなり失敗するという定番の流れ。すべり芸っぽくなっていましたが、醸し出す独特のムードが素敵です。
「星野屋」月亭方正
まくらの奥様のエピソードに愛情が伝わります。沖縄名物の紅芋にテンションが上がった後、レストランメニューに紅茶を見つけて「沖縄って凄〜い」って喜ぶ奥様がとても可愛い。笑い所も多くはなく、登場人物も4人と語り分けも難しい古典落語ですが、上手く演じられていらっしゃいました。似ても焼いても食えない茶屋の女の母が肝でしょうか。テレビで拝見する方正さんとは全然違って格好良い!見応えのある落語でした。
観客の少なさも影響すると思うので、良い環境の時に月亭方正さん、桂三四郎さんはまた拝見したくなりました。大変な状況の中、楽しい笑いを提供していただいた4人の落語家に感謝です。
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