落語「柳家さん喬一門会 小志ん真打昇進襲名記念公演」江東区文化センター

「柳家さん喬一門会 小志ん真打昇進襲名記念公演」江東区文化センター
「柳家さん喬一門会 柳家喬の字改メ 五代目小志ん真打昇進襲名記念公演」にお伺いしました。題名長いです。6月開催予定だった公演が延期されたもの。「その分ポスターを長く貼ってもらえて良かったじゃないか」って言ってくれる師匠はポジティブでグッド!席は1つ飛びではなく、中途半端なソーシャルディスタンス。

柳家左ん坊「子ほめ」
柳亭左龍「初天神」
喬太郎師匠の話の中で画数が多くて偉そうな名前ということで知っていましたが、拝聴するのは初めてです。恰幅が良いお方で、小憎たらしい子供の役がぴったり。「リンゴを齧ると血が出ませんか?」はデンターライオンのCMか、フレーズは知っているけど1980年くらいまでしか放送してなかったんですね。しかしコロナ化で、屋台の飴を触りまくるこのネタをもってくるのは凄いな。最後の団子も餡と蜜、これもコロナっぽくて良い。下げは蜜壷の蓋をとって二度漬け。とてもほんわか楽しい落語でした。

柳家さん喬「幾代餅」
お馴染み、搗き米屋の奉公人「清蔵」が、普通なら会うこともできない松の位の花魁「幾代太夫」と結ばれるお話、とても大好きな落語です。さん喬さん、駄目です。泣いちゃいました。今まで一度も嘘を付いたことがない清蔵の初めての嘘、嘘を付かなきゃ会えないから、という件が抜群に効いた。嘘に塗れた(嘘を楽しむ)吉原での真実の話を、あのお声でしっとりと聞かされちゃー堪らず涙。ありんすもメリンスもありません!素晴らしい!

「小志ん真打昇進襲名口上」
ゲストの林家二楽さんも並んでいましたが、突然の以来だったそうで、紋付は来ておらず、袴はさん喬師匠の借り物。小志んさんは初めて知った落語家さんでしたが、介護士の資格もお持ち、江東区文化センターのある東陽町がホームタウンだそうで、飛び込み営業など凄く頑張り屋さんだそう。左龍さんの弟子の数も知らないグダグダな司会も楽しい。兎にも角にも目出度いです。

柳家喬太郎「擬宝珠」
出囃子がハッピーバースデーで、あれっと思いましたが、今日が誕生日だったんですね!おめでとうございます!落語は相変わらずの面白さ。今日もマクラが長かった。濃厚接触ならぬ農耕接触の小ネタ、「五つの小」の話が爆笑。柳家一門なら確かに「小」と言えばそうなるか。コロナネタの後のゴホッと咳き込むと同時に扇子で口を隠す動作など一挙手一投足が楽しい。3年前に行ったヨーロッパ旅行で、コペンハーゲンは東葉勝田台?アイスランドで見たオーロラは鯖の皮?爆笑。初めて聞いた「擬宝珠(ぎぼし)」はステテコ踊りで有名な初代三遊亭圓遊師匠の作品だそう。耳慣れない「擬宝珠」は橋の欄干とか寺、塔の天辺に見られるスライム形状の宝珠のこと。漢字で書けばわかりやすいが「ぎぼし」と聞くと意表を付かれます。浅草寺の五重塔の天辺の擬宝珠が舐めた過ぎて病気になった若旦那、描写がもはや「金舐め」って妖怪のようで不気味。親子の業なども感じさせる興味深い落語でした。下げは「いいえ、緑青(六升)の味が致しました」

林家二楽「紙切り」
正楽師匠の息子さんなのか、どうりで顔からゆらゆらとした動きまで似ている訳だ。桃太郎、酉の市、恋わずらい、エリマキトカゲの4作品が出来上がり。難題の「恋わずらい」はそうきたか。本日の主役のリクエストが無かったのは初めてだとか。。。爆。

柳家小志ん「蒟蒻問答」
以前住んでいた葛西、まくらは歌舞伎町で22万を2度ぼったくられた話から東陽町は本当に平和だということ。定番の古典落語ですが、客席に東陽町のお知り合いも沢山いらっしゃるそうで緊張。まだまだこれから、応援したいと思います!

10分の休憩を入れた3時間と少し、予想では2時間ぐらいで終わると思っていたので、長丁場でした。とはいえ皆様たっぷり語っていただけて、笑って泣ける3時間でした。落語って良いですね。

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