真山隼人ツキイチ独演会 第40回「暗闇の丑松」「西村権四郎」木馬亭

浅草木馬亭で「真山隼人ツキイチ独演会 第40回」を拝見しました。初めて隼人さんの独演会に拝見しましたが、客数40人ほど、今までで一番少なく、講演会のような雰囲気だそう。

「エッセイ浪曲(大阪万博)」真山隼人、曲師:沢村さくら
エッセイ浪曲を初めて聞きましたが、隼人さんの日常を浪曲にしたもの。大阪万博の仕事の依頼、勧進元はスウェーデン大使館という内容が既に面白い、万博で浪曲を披露したのは、隼人さんが初めてとか。スウェーデン版じゃりん子チエ『長くつ下のピッピ』を浪曲で。雨の中、口元マイク、腰にスピーカーの隼人さん、曲師の沢村さくらさんの仮面ライダーを連想させる突っ込みが笑える。流れで浪曲『長くつ下のピッピ』の序も披露、師匠の真山誠太郎一家、文枝師匠、ワイン好きの米團治師匠、愛子様も登場、最後はイタリア館支店のサイゼリヤで終わる楽しい浪曲でした。

「暗闇の丑松(原作:長谷川伸/脚本:小佐田定雄)」真山隼人、曲師:沢村さくら
2019年の二月大歌舞伎で上演されていましたが、見逃していた演目。脚本は桂枝雀の新作落語でも馴染み深い小佐田定雄さん。台詞から始まるのが意表を突かれる。沢村さくらさんの三味線も劇的で素晴らしい。噂通りの救いのない話ですが、じっくりと聞かせていただきました。

「西村権四郎 二番相撲」真山隼人、曲師:沢村さくら
5月末で芸歴15年だそう。芸歴15年26席以上の持ちネタで弟子が取れるそう。良い師匠と良い弟子の関係性は素敵、高校の時、自腹で体操着を買っていたエピソードに爆笑。隼人さんの出身である三重県、勢州松阪城主「蒲生氏郷」と家来「西村権四郎」の話。九州の合戦で大将を討ち取るも危機に陥った氏郷を助けた権四郎。しか毎年8月15日開催される月見の会で1人で逃げたと言い張る氏郷。結局「認める or 切腹」という理不尽な条件の相撲で決着を付けるが、圧倒的強さの権四郎は氏郷を両手で抱え上げ、主柱目掛けて投げ飛ばす。翌日、やり過ぎたと反省し権四郎は出奔、3年ぶりに松坂に戻り、性懲りも無く再び相撲で対決する明るい話。1回投げると500石もらえるのは嬉しいかも。

30歳の若さで本当に凄い隼人さん、11月に浅草木馬亭で開催されえる通し狂言「傾城反魂香」も楽しみです。

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