北海道十勝から丸一頭で仕入れる羊が名物のビストロ「イヴォワール」、お値段も非常に良心的で料理も美味しく、羊好きには嬉しいお店です。たまにお伺いさせていただいております。
「ズワイガニのサラダ、カブのブランマンジェ コンソメのジュレ」
カブの甘みに、爽やかなコンソメジュレとズワイガニが程よくコクをプラスしており美味。料理の味付けはガツンと来るものではありませんが、藤井シェフの、男前の雄々しい風貌からは想像できない清涼感のある綺麗な仕上がり。かといって素材の味を感じない訳ではなく、しっかり素材を生かしたものとなっています。
「豚の頬、舌、首肉のジュレ寄せ グリビッシュソース」
ビストロでお馴染みのシャルキュトリですが、とても上品な仕上げです。全くストレスの無い豚肉のコリコリとした食感に、香りの良いソースが寄り添います。
「タラ白子のムニエル トマトと焦がしバターのソース ホウレン草添え」
大好きな白子。白子の外側のサクサクと軽快な甘み、ほうれん草もたっぷりで体にも良さそう。あっという間に完食。
「羊の鞍下肉、香草とアーモンド風味のロースト ラタトゥイユ添え」
うっとりするほど魅惑的な断面、羊らしい風味はかなり控えめ。羊が苦手な方でも、羊と言われなければ問題なく食べられそうです。しっとりとしてジューシーで赤味の強い肉は、人間の本能に訴えるものがあります。本能のままにナイフとフォークで上品に貪ります。美味。
「羊のカレーライス」
〆に食べたいカレーまで用意されているのが嬉しいです。羊肉がゴロゴロ入った羊カレー。辛さは控えめなので、もりもり食べられます。幸せ。
「栗を使ったヌガーグラッセ」
デザートは開店時からクレームブリュレとヌガーグレッセの2種から選択。定番の栗デザート、口の中もさっぱりです。
最後はサービスの佐藤さんに丁寧に入れていただける美味しいドリップコーヒーで。
食べた後の満足感も十分で、とても良いお店です。日本料理の値段が高騰する中、フレンチって本当優しいです。ピンの素材を使わなくても、料理人の技術や努力による部分が大きいですが、美味しい料理はできます。しっかり芯のある藤井シェフが、将来、今や絶滅危惧種となっている頑固親父に進化していくのが楽しみ。定期的にお伺いしたいお店です。
コメント