国立演芸場で開催された「5月中席 落語協会真打昇進襲名披露公演」を拝見しました。時世も鑑み、そう悪くない出演者だと思うのですが、客入りはいまひとつでしょうか。
「寿限無」入船亭辰ぢろ
「真田小僧」古今亭志ん吉
初めて拝見する方でしたが、早稲田大学卒の高学歴だそうな。定番の演目、くそ生意気な息子の演じ方が面白い。
「支度部屋外伝」三遊亭歌武蔵
「ただいまの協議について、ご説明いたします」「松井秀喜です」のお決まりの挨拶から、やっぱり落語はしない。主に北の富士親方の爆笑解説ネタ。相撲は全然わかりませんが、楽しめました。
「漫才」ロケット団
「母ちゃんのアンカ」三遊亭圓歌
雑学のような、そうでないような劇的に下らない駄洒落を交えながら、泣かせる話。独特の間、表情、哀愁漂うオリジナリティ溢れる話術。母乳は乳腺を通るまでは血であるとか、高野山真言宗の修行は酒行とか。お坊さん50人のスーツ姿は怖すぎるとか。使えそうで使えない雑学たっぷり。小さい頃の苦労話も悪口も面白可笑しく、それが返って涙を誘う。素晴らしいお人柄。名作ですね。
「小言念仏」三遊亭歌司
赤ちゃんがお漏らししたのは小ではなくて大だったのか、後の「もうお味噌見ちゃったよ」で判明。お正月に拝聴した時より面白かった!
真打昇進襲名披露口上
今日が襲名披露公演の大楽だったのか。歌る多師匠の、やっと小言を言うこともなくなりました。という言葉が嬉しくて切ない。弁財亭和泉さんは初めて拝見しましたが、真面目な方なんでしょうね。正面を瞬きもせずじっと見据える真剣な眼差しを見ていたら泣けてきそう。歌武蔵師匠が仰っていた「押せば命の泉湧く」は、指圧療法創始者の浪越徳治郎さんの言葉だったのか。「手を取って 共に登らん 花の山」
「金明竹」三遊亭歌る多
喬太郎師匠の「金明竹」をよく聞くのですが、負けず劣らず爆笑。口がめちゃくちゃ回る回る。楽しい。
「奇術」アサダ二世
ついに拝見できたアサダ二世さん、「死神」の呪文「アジャラカモクレン キューライソ アサダ二世ハ手ヲ抜いた テケレッツノパー」に登場するので気になっていた方、感慨無量。
「銀座なまはげ娘」三遊亭粋歌 改メ 弁財亭和泉
初めて拝見しましたが、創作落語の女王と呼ばれているとか。有楽町の交通会館にある「秋田ふるさと館」、銀座中央通り沿いの「○リー・ウィンストン」と馴染みの場所が舞台となっており嬉しい。落語というより一人コントに近い印象。ダイヤが250個付いたなまはげ面ってどんなんだよ。中盤少し冗長なので、改善すればもっと面白くなりそう。最後、座布団から降り、幕が降りるまで、頭を下げていたのが印象的でした。素敵な方ですね。また別の創作落語も聞いてみたい!
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