歌舞伎『俳優祭 夜の部』国立劇場

歌舞伎『俳優祭 夜の部』国立劇場
国立劇場 大劇場で『俳優祭 夜の部』を初めて拝見しました。梅玉さんの挨拶、表彰式から若手役者による「伝統歌舞伎保存会研修発表演目」へ。1本目は「菅原伝授手習鑑 加茂堤の場」です。

配役
舎人桜丸:市川團子(澤瀉屋)
桜丸女房八重:片岡千之助(松嶋屋)
齊世親王:中村玉太郎(加賀屋)
三善清行:中村吉之丞(播磨屋)
苅屋姫:中村莟玉(高砂屋)

流石の團子君も今回の桜丸はどうだろうか。齊世親王と姫がいなくなる緊迫した場面にも関わらず、八重の「しぇ〜」と驚く声に笑いが起きるのは空気が作れていないからなのか。

続いての「菅原伝授手習鑑 吉田社頭車引の場」は、今月の本公演を凌ぐ珠玉の出来栄え!

配役
舎人梅王丸:中村鷹之資(天王寺屋)
舎人松王丸:市川染五郎(高麗屋)
舎人桜丸:尾上左近(音羽屋)
舎人杉王丸:市川福太郎(成田屋)
金棒引藤内:市川福之助(成田屋)
藤原時平公:尾上松緑(音羽屋)

三つ子のニンが抜群、染五郎君の松王丸もどんな様子になるのか少し不安もありましたが、とってもいい感じ。3階席からでもわかる聳り立つ親指に刮目。最初の「梅王丸」の台詞でドキッとした左近君の桜丸、小柄ではありますが、品性漂う涼やかな二枚目。鷹之資君は声質、台詞回しも良く、飛び六方も格好良い。低い姿勢と体の捻りが錦絵のように美しく歌舞伎らしさを体現し、引っ張りの見得も華やかに決まる。車高の低い車って、空気抵抗とかは別にして、形状に魅力があるのかと妙に納得。これを観れただけでも参加した価値あったわ。

お楽しみ模擬店
何が販売されているのが不明のため、事前に1万円分の金券を購入。米吉君のねずみの色紙のじゃんけん大会に惨敗、歌六さんから800円で焼き鳥を購入(焼きそば売切れ)。一部のファンの写真圧が凄すぎて怖い。ビールや食べ物は即売り切れ、もしくは行列で並ぶ気にはなれない。使い道がないため使えるところを探す。水200円、黒いTシャツは着ないけどTシャツ4,000円、歌舞伎揚げなどの詰め合わせ3,000円、「かぶき手帖2023年版」1,600円、「映像でふりかえる初代国立劇場の思い出」の後の休憩でコーヒー400円で使い切った達成感有り。結局現金も使えるみたいになってたし、金券の意味は。。。がしがし攻めた方が楽しいのはわかるけど無理、周囲の賑わいによる疲労が凄い。役者の写真も全く撮りたいとは思いませんが、トラブル防止のため巡回を続ける彦三郎さん、格好良い!

最後は幸四郎さん演出の「戯場八景名残隼(ゆめのくにへようこそありがとうこくりつ)」です。

配役
軽業 曲屁高麗吉:松本幸四郎(高麗屋)
山伏 法螺尾福童:中村獅童(萬屋)
歯技師 辺田奈四海:坂東新悟(大和屋)
医者 山井直仙:坂東巳之助(大和屋)
北条時政:坂東彌十郎(大和屋)
滝の白糸:水谷八重子
三途の川の婆:中村勘九郎(中村屋)
メイド ヨミ:中村米吉(播磨屋)
メイド ハリー:澤村宗之助(紀伊國屋)
メイド アビー:中村鶴松(中村屋)
メイド ヒーガン:上村吉太郎(美吉屋)
メイド メーカー:河合雪之丞
閻魔:片岡愛之助(松嶋屋)
閻魔の奥さん:中村児太郎(成駒屋)
五官王:中村福之助(成駒屋)
五道冥官:中村虎之介(成駒屋)
三冠王:中村歌之助(成駒屋)
閻魔の妾:中村七之助(中村屋)
弁天小僧:中村萬太郎(萬屋)
碇知盛:中村橋之助(成駒屋)
林冲:市川猿弥(澤瀉屋)
晁蓋:市川笑三郎(澤瀉屋)
お夜叉:市川寿猿(澤瀉屋)
王英:中村壱太郎(成駒屋)
姫虎:市川中車(澤瀉屋)
青華:市川青虎(澤瀉屋)
魯智深:市川笑也(澤瀉屋)
李逵:市川門之助(瀧乃屋)
花四天:中村鴈治郎(成駒屋)
花四天:中村扇雀(成駒屋)
花四天:中村芝翫(成駒屋)
花四天:中村錦之助(萬屋)

上方落語の『地獄八景亡者戯』のアレンジ。「ShowヅカBar」の件は楽しい、米吉君は当然として、台詞は覚えられない雪之丞さんの可愛さにびびる。踊るメイドたちの後ろでリズムをとる勘九郎さんのリズム感はやっぱり凄く、『俊寛』は是非とも見てみたい。先輩にいじられる弁天小僧と知盛、そして水滸伝チームのノリは付いていけず。高齢化問題を示唆している訳ではなかろうが、体はでかくて迫力は凄いけど動きが鈍い老花四天たち、今藤政太郎作「六斎念仏意想曲」の4ドラム演奏、鬼の毛振りなど楽しい演出色々。最後の仁左衛門さんの挨拶、全員集合は有難や。次回行けらた模擬店の時間は心穏やかに過ごしたい。

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