四月大歌舞伎 第二部『荒川の佐吉』『義経千本桜 時鳥花有里』歌舞伎座


歌舞伎座で「四月大歌舞伎 第二部」を拝見しました。一本目は、真山青果作の新作歌舞伎『江戸絵両国八景 荒川の佐吉(あらかわのさきち)』です。

配役
荒川の佐吉:松本幸四郎(高麗屋)
丸総の女房お新:中村魁春(加賀屋)
お八重:片岡孝太郎(松島屋)
極楽徳兵衛:中村亀鶴(八幡屋)
大工辰五郎:尾上右近(音羽屋)
櫓下の源次:大谷廣太郎(明石屋)
あごの権六:中村吉之丞(播磨屋)
卯之吉:上田洋輝
茶屋女房おかつ:中村歌女之丞(成駒屋)
白熊の忠助:市村橘太郎(橘屋)
鍾馗の仁兵衛:松本錦吾(高麗屋)
隅田の清五郎:市川高麗蔵(高麗屋)
成川郷右衛門:中村梅玉(高砂屋)
相模屋政五郎:松本白鸚(高麗屋)

とてもわかりやすい内容の人情話、梅玉さんの純粋な敵役が新鮮、お新役の魁春さんは、いくらなんでも無理がある気が。。。しかしその息子の卯之吉役の上田洋輝君は巧かった。歌舞伎界の方ではないみたいですが、今後活躍する可能性もあるかも?幸四郎さんの、佐吉は前半は良い、郷右衛門を討つ時の、したたり落ちる汗が素敵、しかしその後の場面ではもう少し風格、貫禄が欲しい。お声が高いのが影響しているのかも。大詰め「向島長命寺前の堤の場」で向こうに見ているのは浅草五重塔と富士山か。最後は「やけに散りやがる桜だなぁ」「お父ちゃ〜ん」、少し物足りなさはありましたが、稲荷寿司屋や三味線の音など江戸両国付近の情緒や風景を楽しめました。

二本目は『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)時鳥花有里(ほととぎすはなあるさと)』、初演は江戸時代ですが、長く上演が耐えており、2016年に復曲、長唄囃子連中による所作事です。

配役
源義経:中村梅玉(高砂屋)
鷲尾三郎:中村鴈治郎(成駒屋)
白拍子園原:中村壱太郎(成駒屋)
同  帚木:中村種之助(播磨屋)
同  伏屋:中村米吉(播磨屋)
同  雲井:中村虎之介(成駒屋)
白拍子三芳野:中村扇雀(成駒屋)
傀儡師輝吉:中村又五郎(播磨屋)

話としては「大物浦」から吉野の「河連法眼館」への道中、竜田川、そこに美しい白拍子と傀儡師がいきなり出現、彼らは実は龍田明神の使いでしたという内容。又五郎さん演じる傀儡師の『船弁慶』のパロディが面白い、義経(邯鄲男)、弁慶(大癋見)、静御前(小面)の3種類の面を交互に使い分け、平知盛の幽霊まで。桃色のお召し物の米吉君がやっぱり可愛い。最後の巫女の衣装では凛々しい印象、龍田明神の有難いお告げを受け義経たちは「河連法眼館」へ向かいます。25分ほどの演目ですが、途中で台詞もあり、楽しい舞踏劇でした。

来月の「團菊祭五月大歌舞伎」も楽しみにしております!

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