八月納涼歌舞伎 第一部『新選組』『闇梅百物語』歌舞伎座

八月納涼歌舞伎 第一部『新選組』『闇梅百物語』歌舞伎座
歌舞伎座で「八月納涼歌舞伎 第一部」を拝見しました。一本目は手塚治虫原作の新作歌舞伎『新選組(しんせんぐみ)』から。手塚作品で初の歌舞伎化というのは意外、手塚作品はけっこう好きなのですが「新撰組」という作品があることを初めて知りました。

配役
深草丘十郎:中村歌之助(成駒家)
鎌切大作:中村福之助(成駒家)
近藤勇:中村勘九郎(中村屋)
土方歳三:中村七之助(中村屋)
仏南無之介:中村橋之助(成駒家)
沖田総司:中村虎之介(成駒屋)
娘八重:中村鶴松(中村屋)
庄内半蔵:片岡亀蔵(松嶋屋)
芹沢鴨:坂東彌十郎(大和屋)
坂本龍馬:中村扇雀(成駒屋)

主人公は架空の新撰組の若い剣士2人。上下の書割が手塚治虫の漫画なのが既に面白い。襖の隙間に入っていったり、立ち回りも漫画風、出足良好。背景の書割もジャングル大帝やヒョウタンツギがこっそり、襖に火の鳥まで。さらにブラックジャック、ヒゲ親父、アセチレン・ランプ、ピノコ?、写楽君?らしき人物も登場するなど手塚治虫好きには堪らん。鎌切大作の髪型も漫画的で格好良く、鉄腕アトムのテーマの宴会踊りも素敵。芹沢鴨はイメージより弱かったけど、役者皆様お役とぴったりでしたが、特に「カラーンコローン」と下駄の効果音で登場した龍馬役の扇雀さんが好き。最後の花火を背景にしての決闘も美しい。先月のナウシカに続き歌舞伎の貪欲さ、自由さを感じた新作でした。

2本目は3年振りの『闇梅百物語(やみのうめひゃくものがたり)』、中堅若手中心の演目も良いですねぇ。

配役
骸骨/読売:中村勘九郎(中村屋)
傘一本足:中村種之助(播磨屋)
河童:中村虎之介(成駒屋)
小骸骨/読売:中村勘太郎(中村屋)
小骸骨/読売:中村長三郎(中村屋)
籬姫:中村鶴松(中村屋)
新造:片岡千之助(松嶋屋)
狸:中村橋之助(成駒家)
小姓白梅/雪女郎:中村七之助(中村屋)

お化けは七之助さんののっぺらぼうから、源兵衛堀で狸河童の小競り合い、新造と雪女郎の華麗な舞、骸骨3人親子の骨踊りも可愛い。最後は読売から白狐と花四天との立ち回り、鶴松籬姫の竹取物語の舞も素敵、常磐津と長唄の掛け合いも賑やかです。七之助さんの美貌が際立ち、勘太郎君、長三郎君も元気に育っているようで、将来が楽しみです。来週の第二部も楽しみにしております。

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