「令和6年8月国立演芸場寄席 主任:柳家小ゑん」内幸町ホール

令和6年8月国立演芸場寄席

内幸町ホールで「「令和6年8月国立演芸場寄席」を拝見しました。

前座「転失気」三遊亭東村山
「DJ寿限無」三遊亭ごはんつぶ
尺の関係で寿限無のカット版と言いながら実は新作、ボイスレコーダーからのDJセット。下げは「冗談言っちゃいけねぇ、キュルキュル」
「奇術」伊藤夢葉
ごはんつぶ君と同じく浜っこ、浜っこと言っても浜松ですけどね、で掴みはOK。初めて拝見しましたが、よく喋る面白いオジサンマジシャン。鞭が趣味らしく牛用の鞭を持参し一振り、風船が割れるような凄い音ですが、奇術とは全く関係なし。後もすかしたマジックが続き、最後はちゃんとしているのか、していないのかわからないトランプマジック。
「不良クラブ」三遊亭天どん
公民館に集まるアイルトン、マッカーサー、ジョーというあだ名の3人の老人の話。自虐発言が客席に受け入れられておらず、なかなか厳しい展開。下げは「記憶が少し不良だそうだよ」
「弟子の強飯」春風亭百栄
いつもながら長いマクラから短い落語へ。三遊亭圓生似の高校2年生の逸材に落語家の師匠が弟子入りをお願いするという、楽しい設定。逆転現象は、先日聞いた喬太郎師匠の「午後の保健室」と似ている気も。醸し出す雰囲気と落語は面白いのに、マクラが長過ぎる。下げは「この身をささげ、小豆(あずけ)ましょ」

「冷蔵庫の光」弁財亭和泉
初見の印象がとても良く、また見たいと思いながら3年振り2回目。さっと落語に入る姿勢にまた好感。夫婦の冷蔵庫に関するあるある落語、「ドレッシングって魔法なんだよ!」「冷蔵庫を信じて、自分を信じれば、賞味期限の先は無限だよ!」という力のこもった名言にやられる。賞味期限切れの大量のドレッシングや瓶入り調味料、液化したキュウリ、大量の納豆のカラシの小袋など想像が容易く笑える。そして土井先生のレシピで手作りした万能ダレ、一度も使ってないのに爆笑。独演会に行ってみたくなりました。下げは「さっきまで詰め込みすぎて、真っ暗だったから」
「出目金」古今亭志ん五
志ん橋師匠がまるで生きているかのようなマクラ、甘党の師匠、甘いものをストックしてある甘味処でロールケーキを見つけ、カットするとチョコチップまで入っていて2人で美味しくいただくが、その後帰ってきた奥さん曰く「それ、半年前のよ」、チョコチップと思ったのは実はカビ、その時師匠に言われた「大丈夫、真打ちだから」という発言に妙に納得したという。落語は、息子のために金魚すくいで出目金を取ってくるも(真っ赤な金魚が刺繍された手拭い!)、出目金にしては目が小さいと言われ、どのような方法かは不明ですが、傷つき家出した出目金の話。想像がしにくいですが、川にある寿司屋の大将はタコかと思いましたが、結局なんの魚類か志ん五さん自身もわからない模様。ミドリムシやミジンコの寿司を食べる金魚の真似が可愛い。その後、ペンギン(クリオネかと思った)に会ったり、温泉に入ったり、人間ポンプに使用されたり。。。下げも素晴らしく「修行の旅に出たけど、目が出ませんでした」
「音楽パフォーマンス」のだゆき
今年は頻繁に拝見しているファミマでお馴染み、のだゆきさん、相変わらず会場を和ませる力に脱帽。
「恨みの碓氷峠」柳家小ゑん
いつもより呂律が回ってなかったか。コントと同じで、新作は何回も聞くと面白さが減少していくことも。十津川刑事は西村京太郎サスペンスへのリスペクトだったのか。碓氷峠やあずさに過剰に反応する犯人の描写に拍手が起こる。悲喜交々な夏の新作祭りでした。

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