新春浅草歌舞伎 夜の部『春調娘七種』『絵本太功記』『棒しばり』浅草公会堂

浅草公会堂で「新春浅草歌舞伎 夜の部」を拝見しました。まずは中村玉太郎君による「お年玉〈年始ご挨拶〉」から。浅草のお勧めグルメを3件ご紹介、「モンブラン浅草店」のロシア風ハンバーグ、「セキネ」のシューマイと肉まん、「おいもやさん興伸」の大学芋(好みは愛小町)。その後は橋之助君による今日の演目の説明がありました。

1本目は長唄連中による所作事『春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)』です。

配役
曽我五郎:尾上左近(音羽屋)
静御前:中村鶴松(中村屋)
曽我十郎:中村玉太郎(加賀屋)

小柄なお三方でバランス良好。初々しい目の福でした。

2本目は『絵本太功記(えほんたいこうき)尼ヶ崎閑居の場』。

配役
武智光秀:中村橋之助(成駒屋)
武智十次郎:中村鶴松(中村屋)
初菊:尾上左近(音羽屋)
皐月:中村歌女之丞(成駒屋)
佐藤正清:中村鷹之資(天王寺屋)
操:中村莟玉(高砂屋)
真柴久吉:市川染五郎(高麗屋)

今まで見た中で一番良かった「尼ヶ崎閑居の場」、鶴松君と左近君の2人が良過ぎた!義太夫狂言でとても重要だと感じているリズム感、特に三味線との調和が素晴らしい左近君、妙な空気になることもある身支度の場面、十次郎の死の場面は哀れさ健気さが際立ち最高。十次郎の「今一度お顔が見たけれど‥‥もう目が見えぬ」の間の取り方が絶品。この段で光秀は主役ではなく狂言回しのような役割りとも思えます。舞台を引き締める歌女之丞さんの威厳のある皐月、ちょっと痩せた気がする莟玉君も素敵な良い舞台でした。

3本目はお馴染み狂言を元にした『棒しばり』です。

配役
次郎冠者:中村鷹之資(天王寺屋)
太郎冠者:市川染五郎(高麗屋)
曽根松兵衛:中村橋之助(成駒屋)

やはり若くて動ける(踊れる)2人の『棒しばり』はとても楽しい。鷹之資君の棒捌きが非常に格好良く、「夜の棒」という怪しげな響きも笑える。手を後ろで縛られた太郎冠者の足技も見事です。舞を舞う次郎冠者をニヤつきながら眺める太郎冠者役の染五郎君は未成年とは思えない。最後も2人が逃げる展開ではなく、主人をやっつけにかかり、わちゃわちゃしたまま終わるという終わり方も楽しい。







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