落語「余一会 昼の部 春風亭一朝・一之輔 親子会」新宿末廣亭

新宿末廣亭で10月余一会 昼の部「春風亭一朝・一之輔親子会」を拝見しました。

前座「鷺とり」春風亭貫いち
上方落語、だんだん上手くなっている気がしますが、だんだん一之輔化してきているような気も。
「王子の狐」春風亭㐂いち
一之輔さんのお弟子さんなのか、涼やかな男前だと思ったら、以前は俳優として活躍されていたそう。『ヒミズ』『ドライブイン蒲生』など視聴済みの映画にも多数出演しておりびっくり。下げは「食べちゃいけないよ、馬の糞かもしれない」

「蔵前駕籠」春風亭一朝
マクラは、師匠の五代目春風亭柳朝のエピソードに爆笑。東北の温泉に行った時、男女の仕切りはあるが、仕切りの下の温泉ではつながっている風呂に、潜水して女風呂へ侵入した話が最高。八代目林家正蔵師匠の下が雪山だから飛行機落ちても平気でしょ、って話も凄い。初めて聞く演目、幕末、吉原に行く途中にある蔵前通りに浪人の追い剥ぎが沢山出た時の話。江戸の三駕籠屋は、蔵前の江戸勘、日本橋本町の赤岩、芝神明の初音屋だったのか。勉強になります。こういう粋な?変な江戸っ子がでてくる演目は、自然でちょっと優しい江戸弁がとても心地良い。駕籠屋のヨタポコ、ヘコハンって名前が面白い。下げは「おーっ、もう済んだか」

「不動坊火焔」春風亭一之輔
一之輔さん疲れてる?笑点の影響?シャインマスカットと比べられる巨峰の悲しみ、契約社員マスカットって。。。伝統的な内容とは変更点が多く、不動坊火焔の幽霊役が講談師ではなく落語家の林家南雀、あんこの件が長い、あんなに大きい声で喋ってたらすぐに見つかるだろうに。。。そして幽霊役の大根役者っぷりが凄い。

師弟対談「一朝x一之輔」
静かな対談、若い時に笛で10年くらい歌舞伎座に通っていたからお芝居はとても好きというお話、落語会の後、歌舞伎座へ行くのでよい流れ。勘三郎さんの野球チームと対戦した時に、センターを守っていた一朝師匠が、勘三郎さんが珍しく打った球を誤って取ってしまった話が爆笑。「ばかばかぁー」ってリアルお坊ちゃん。「住吉駕籠」は志ん朝師匠に、志ん朝師匠はおそらく林家正蔵師匠に教えてもらったとのこと。伝承の流れが面白い。

「時そば」春風亭一之輔
蕎麦が異常に長いのはまだしも、箸が鉛筆、ちくわがトローチはやり過ぎでは。

「俗曲」桂小すみ
玉川すみ師匠作の越後獅子の替え歌「種尽くし」、大薩摩、ホイットニー・ヒューストンの「I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」で伊勢音頭の「伊勢へ七度 熊野へ三度・・・」で。小すみさん良いな。三味線愛が伝わってくる。三味線巧い、面白い、好き。

「火事息子」春風亭一朝
一席目では忘れていた、一朝懸命の掴みから。わかっていても、わかっているから面白い。火消しの中でも臥煙(がえん)と呼ばれる下っ端?は気性が荒く評判が悪かったとか。初めて聞く演目ですが人情噺なのか。子供の頃から火事が好き過ぎたせいで勘当されてしまったけど、火事のたびに心配で実家の様子を見にくるほど優しい。一朝師匠の優しい口調とぴったり合っていて良い。久しぶりに落語で人情咄を聞いた気がいたします。心が温まりました。

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