浅草木馬亭で木馬亭演芸サマーフェスティバル2024「東西厳選演芸会 第一夜」を拝見しました。
開口一番「谷風の情け相撲」神田梅之丞
滑舌の良い爽やかな読み口に伯山師匠ゆずりのくすぐりも加わり面白い。将来が楽しみです。
「粗忽長屋」三遊亭萬橘
以前から気になっていたのですが、初めて拝見。木馬亭で開催されているという学校寄席のマクラから。松、竹ときて杉はなかなか。落語はくすぐりにオリジナリティがあり面白い。下げは「抱いてるオレはどこの誰なんだろう」
「次の御用日」笑福亭たま
マクラは仲の良い萬橘さんのほぼ悪口、途中で下着姿で舞台に乗り込んでくるのも理解できる。どの角度から見ても、たまさんの方が若く見えるが、萬橘さんが4歳年下なのか。桂枝雀師匠のCDでしか聴いたことない難しい上方落語、天王寺屋藤吉の奇声をどうやるかが全て。たまさんは喉の損傷が酷そうな二段階。珍しい落語が拝見できて嬉しいです。
「ウィーンの辻音楽師・序」旭堂一海
出囃子は東京節、旭堂南海師匠がされている書生節のマクラ、使用しているバイオリンは尼崎市総合文化センター出演者で最安値の2万円とか。オーストリアの劇作家グリパルツァーの小説が原作。ド下手なバイオリン弾きのエベルト爺さんと犬のトライエルが主人公、犬の表現がなかなか可愛い。宿賃がたまりまくっている爺さんの救世主、謎のバイオリニストが登場し、美しい「旧オーストリア帝国国歌」を披露し、爺さんと犬を助けた所で終了。
「無声映画」坂本頼光
萬橘さんが珍しく機材を運ぶのを手伝ってくれたと思ったら日暮里に付いたとたん玄海寿司での食事を強迫された話など、プロジェクターを運んでいる姿をベン・ハーの奴隷に例えるのに爆笑。萬橘さんの愛され具合が伝わります。演目は1932年(昭和7年)製作、伊丹万作監督の『國士無双』、片岡千恵蔵、山田五十鈴出演と貴重な映像が見られるだけでも映画好きにはとても嬉しいし、映画もシンプルな笑いが良いですし、「仙人との謎の共同生活・・・」などアテレコも最高!!
「太閤記〜間違いの婚礼」旭堂鱗林
名古屋で活躍されている講談師、2015年の大須演芸場、再オープンに登場しら河村たかし市長が名古屋市国歌の「燃えよドラゴンズ!」の縁起が悪そうな替え歌を歌ったという、そして2018年8月にはついに舞台に上がり、馬石師匠の後に政治漫談を披露(大村知事の悪口)したというマクラに爆笑。市長、面白過ぎるよ。トリでなくドベですと謙遜していらっしゃいましたが、講談は名古屋弁を交えた太閤記で、お声と読み口がチャーミングで、ほどよく毒と自虐も効いていて面白く聞ける。講談は自分の知っている太閤記と違って秀吉は明るく人が良いだけ、寧々の思慮深さに感嘆。とても好感のもてる講談師でした。また機会があれば拝聴してみたい。
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