落語「さん喬あわせ鏡 月の巻」内幸町ホール

内幸町ホールで「さん喬あわせ鏡 月の巻」を拝見しました。二夜連続で昨日は「幾代餅」など恋の話3演目だっとそうですが、今日は重い話ばかりなので、帰るなら今です!と注意を喚起されていました。

前座「芋俵」柳亭市遼
爽やかな男前、滑舌も良く、与太郎がちゃんと楽しい。下げは「気の早いお芋だ」

「浜野矩随(はまののりゆき)」柳家さん喬
小さん師匠が剣道で七段範師だったため、結局八段になれなかったというマクラから。落語の「浜野矩随」は未聞でしたが、講談のCDで五代目神田伯山の「名工浜野矩随」を聞いたことがあるので、ピンと来た。落語と講談では流れが違うようですが、さん喬師匠は、宝井琴梅師匠から習ったとのこと。腰元彫りの名人浜野矩康の息子浜野矩随、世話になっている芝神明(現在の大門付近)の若狭屋は道具屋で当時は若狭屋ブランドが確立されていたという。勉強になります。最後の河童狸を30両で売り付けるのは阿漕です。

「鼠穴」柳家さん喬
続いて大ネタ、竹次郎が兄の所に奉公したいと頼みにくる場面で、聞く方も体力のいる演目だと確認。周囲の評判が悪いという兄ですが、弟にだけは優しいのか。それとも本当は優しいのに不器用なため、そう思われてしまうのか。落ちが分かっていても辛い後半、下げは「夢は土蔵(五臓)の疲れ」

「中村仲蔵」柳家さん喬
紋付の黒い着物と赤い襦袢で「これは!」と思いましたがやはり。鳴り物入りの「二つ玉の段」がとても良い。前回は赤い襦袢を口から流れる血の表現で使ったように記憶していますが、今回は胸から流れる血の表現で使ったか。仲蔵のお上さんの優しさが沁みます。下げは「狐につままれたみたいだ」「そうだねぇ、信心したのがお稲荷さんだから」、丁度1年前、国立演芸場の「さん喬十八番集成~陽春公演~」で拝見した時ほどの感動はありませんでしたが、心が温まりました。今日は出世話3演目だったのかな。次回、7月の会も楽しみにしております。

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