江東区文化センターで「令和6年12月文楽公演 第二部」を第一部に続いて拝見しました。
配役
1本目は『一谷嫩軍記』、文楽では5年ぶりの鑑賞。前回同様、前半はうとうとしてしまいましたが、熊谷直実が敦盛との組み討ちの様子を語る部分から復活。一列目だったので相模への「引キ目」もよくわかる。制札の使い方が歌舞伎と違うのか。相模の気持ちになるとやり切れない心地になり、自分の中で全て完結してしまう直実は少しずるいと感じてしまいます。
2本目は『壇浦兜軍記 阿古屋琴責の段』、阿古屋の美しさ、楽器を奏でる桐竹勘十郎さん技巧を愛でる演目、最初の幕からの出の美しさに心を鷲掴み、もうずっと見ていられる。右遣いに桐竹勘次郎さん、足遣いの桐竹勘昇さんの息もぴったり、凄い技術です。琴を弾く部分の指先の動き、三味線を奏でる時の上半身の自然な動きなど感動ポイントの連続。錣太夫さんの阿古屋、鑑賞前から合う!と思ったのですが、声はあまり女性らしくないのに、阿古屋の情感に凄く調和している。1列目だったので姿はほぼ拝見できませんでしたが琴、三味線、胡弓を床で鶴澤寛太郎さんも素晴らしい。そしてほぼ動かないのに一番汗をかいている玉助さんの重忠、歌舞伎よりも岩永左衛門が悪目立ちしないのも良く、津國太夫さんのお声がキャラに合い過ぎ。素晴らしい「阿古屋」でした。
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