浅草演芸ホールで「令和6年5月上席 薫風G・W特別興行」を昼の部のトリから拝見しました。
「明るい選挙」林家木久扇
2階席まで満席。椅子に座って。マクラは昇太師匠の50億円の話など。後半は眠気が。しかしながら有難い。
前座「小町」柳亭市遼
「真田小僧」柳家やなぎ
北海道東の別海町のご出身。東京へ行くよりロシアへ亡命した方が早い、などマクラが楽しい。
「狸鯉」柳家わさび
18金の茶碗を盗んだのは私ではありません、から。大事な所で噛みまくるのが楽しい。落語は打って変わって流暢な高速落語。
「ジャグリング」ストレート松浦
「牛の子」三遊亭天どん
牛乳が出てくる珍しい古典落語とのこと。与太郎をべろべろ舐める牛の真似が炸裂、ホルスタイン柄の股引きも可愛い。下げは「今日はお父つぁんに会いに来たんすよ」
「夕立勘五郎」古今亭志ん輔
名古屋弁なのか「侠客→こうかく」「国定村の忠治→くぬさだむらのつーず」など訛りが凄くて何を言ってるか不明な浪曲師の赤沢熊造先生の話。令和の現在偉そうな浪曲師は見たことがありませんが、その違いも含めて面白い。下げは「夕立ちやると、必ず雷落とされる」
「紙切り」林家二楽
桃太郎、牛若丸と弁慶(五条橋)、三代目林家正楽。
「黄金の大黒」春風亭一之輔
裏地が畳面の羽織を着まわして。「鮑のし」と似た展開。
「替り目」古今亭文菊
軽く天どん師匠をディスる文菊さん。酒の話のマクラで定番の、居酒屋で親子で喧嘩する話もちゃんと笑える。そして酒を飲む所作、お汁粉を食べる所作の面白さよ。志ん生などが演じる定番の「替り目」とは随分違う印象。女房が強くて怖いのは、文菊さん自身の実体験を反映したものか。最後の妻への感謝を語りながら泣き出してしまう展開にグッと来ました。文菊さんの落語は毎回涙が出る。
「漫才」ホンキ-トンク
「七段目」柳亭市馬
「馬のす」柳亭左龍
「太神楽曲芸」翁家社中 和助・小花
「子ほめ」入船亭扇遊
「ざるや」五街道雲助
マクラ無しで落語に入る格好良さ。目力が凄い。
「粋曲」柳家小春
とっちりとん、まめかん、相撲甚句など。まめかんの具を宝石に見立てた歌詞がちょっと怖いけど可愛い。
「母恋くらげ」柳家喬太郎
池袋の西武と東武、2009年に閉店した池袋三越などデパートの擬人化が楽しい。池袋にあったトースト食べ放題の「純喫茶蔵王」、アイスコーヒーのグラスがキリンの中ジョッキだった「サルビア」、隣の要町の手書き広告に味わいのある「かなめちゃん弁当」や米店、鯉こくが提供できる魚専門のペットショップなどの楽しいマクラから池袋の落語をやるのかと思ったら全然違った。登場するのは権太楼師匠みたいなタコ、イカ、穴子、亀、クラゲの母子など。海の話とバス遠足の子供が蜜柑のポイ捨てと痺れる先生しか関わらないため、話の浅さは感じますが、「蜜柑」「電気」「水たまり」から作った三題噺だそうで、絵本にもなっているとか。下げは「蜜柑のおかげで一皮むけた」
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