鮨「さわ田」銀座五丁目あずま通り

定期的にお伺いしているミシュラン2つ星の銀座鮨の名店が「さわ田」。私はミシュランガイドやテレビ雑誌は信用しておらず、賑やかで楽しい雰囲気とか派手なパフォーマンス、インスタ映えもどうでもよく、静かに美味しいものが頂ければそれで良いのです。「さわ田」さんは全てにおいて一番好きなお鮨屋です。私はお鮨屋では摘みは基本的にはいただかないので、握りのみの昼にお伺いしております。

今日いただいたのは以下の22貫、追加6貫、巻物1本。ただ車海老と穴子は大きくて2貫分あるので実際には24貫分!
「ヒラメ、新イカ、青柳、キス昆布〆、新イカ下足、小柱、新イクラ、赤身漬け、中トロ、蛇腹、大トロ、新子、蒸鮑、唐津アカウニ、車海老、タコ、シマアジ、ミル貝、鰹、砂ずり炙り、バフンウニ軍艦、穴子、玉子」
追加「ヒラメ、新子、青柳、イクラアイスクリーム、タコ、鰹 高知風、干瓢巻き」

澤田親方は体も大きくて、見た目は恐そうなのですが、ユーモアたっぷりでとても誠実な方、仕事に一切の妥協なく、食べ物に対するこだわりは、もはや変態、大好き!カウンター6席のみ、写真撮影も禁止なので、落ち着いた雰囲気で食べられるのも嬉しいです。真似されるのが嫌なので、写真禁止という噂もありますが、それは有りえません。写真で真似できるような段階の鮨ではありません。

鮨屋の個性はシャリだと思うのですが、酢と塩がしっかり効いた米酢のシャリは中毒性有り。握る所作も早く、そして端正です。安定した古米を使うお店も多いのですが、澤田さんは新米も使う、種も基本的に旬の時期しか使わない。お鮨って基本的にそれほど大きく変化する訳ではないのですが、こちらは季節感も存分に感じられ、毎度感動を味わえる鮨店です。種もとんでもないのです。

「ヒラメ」カレイからヒラメに変わりました。走りのヒラメです。お久しぶり。このシャリと魚の甘み、そして極上のワサビの心地よい刺激。絶品の三位一体。いつもまたこの場所に帰ってこれた!と思わされる一貫目です。

「新イカ」スミイカの子供でこの時期だけの種。他店と比べやや大きいもので1枚で握ります。皮をその場で剥くのがポイントか。爽やかな食感で美味。新イカには下足が付くのは定番ですが、下足も握りで。旨いです。

「青柳、小柱」苫小牧のもの。いわゆるバカ貝です。通常ヒモも一緒に握り、あのツンッとした形の鮨ができますが、澤田さんは足(舌)のみ使用、しかも二枚分。とても美しい形。食感良く旨い。シャリと種が同時に無くなる。ヒモがあると、シャリが無くなっても口の中に残る場合が多いのです。ハマグリ等貝類はシャリとのバランスが重要かと思います。青柳の小柱も大星(大きい小柱)6個で握る。最高。

「新イクラ」この時期初登場するイクラ。今朝イクラの形にしたばかり、ごく薄い皮がアクセントで、フレッシュな旨味のエキスが口の中に溢れます。追加で頼む通称「イクラアイスクリーム」は手巻きした上に溢れるほどイクラを乗せたもの。イクラは置いておくと溶けてしまうのですが、先ほどより時間が経っているので皮の食感もほぼなく口溶け最高。

「マグロ」大間の1本釣り、258kg。いつも4種、ここで鮪を食べると、もう他のお店では食べなくていい!香りの良い赤身漬けが一番好みです。

「新子」江戸前鮨の代表コハダは、シンコ、コハダ、ナカズミ、コノシロと名前が変わる出世魚。新子は夏のみの季節物。コハダの方が脂も乗っており美味しいと思っていたのですが、澤田さんの新子を食べて驚愕してものです。力強い酢締めと力強い食感、中には芝海老の朧。絶品なのです。

「タコ」あまり好きな食べ物ではありませんが、さわ田さんでは一番好きな種。この時期はやや素材が弱いのですが、それでも感動レベル。シャクシャクとした柔らかな食感と秘伝の煮汁の旨味が凄い、蛸の概念が変わる超絶鮨。

「鰹」藁焼きで香りが堪りません。追加はニンニクと塩でいただく厚切りの高知風で。口の中で生き生きとした鰹が爆発する暴力的な旨味。

「砂ずり炙り」さわ田さんの名物の1つ。砂ずりは鮪の脂ノリノリのお腹の部分、握った後、上から網に乗せた備長炭で炙ります。何度見ても壮観。ガスバーナーが買えないから仕方なくこうされているそうなので、いつかドンキで購入して差し上げたいものです。絶品。

全部の種でいくらでも語れるのですが、とても長くなりますので終了。素材自体の旨味の引き出し方が素晴らしく、お腹もいっぱいで絶品のお鮨に大満足のお昼です。値段はお高い、お高いのですが、内容を考えれば間違いなくお安く良心的です。そして的確な動きで澤田親方をフォローされる奥様も忘れてはならない「さわ田」の魅力です。腹ごしらえが済んだら夕方には国立劇場へレッツゴー。ごちそうさまでした。

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