毎月お伺いしている銀座八丁目、中央通り沿いの「資生堂パーラー 銀座本店 サロン・ド・カフェ」、1月2月はイチゴパフェが目白押し。個人的にイチゴというフルーツがあまり好きでないので、イチゴパフェほとんど食べないのですが、今回スペシャルパフェが新登場したということでお伺いいたしました。以前いただいた「岐阜県 揖斐郡産 美濃娘のイチゴパフェ」が3,500円でしたが、今回はそれを凌駕する5,000円の超高級パフェです。一生に一度だけ。
いつも開店直後の11時にお伺いするのですが、新型のコロナウイルスの影響か、お客様も少なめで一番乗り。珍しいので店内写真を撮らせていたできました。
2019年11月にリニューアルしましたが、印象はあまり変わりません。ソファー席、天井の抽象画、壁の花(椿?)型照明などが新たな室礼です。
「奈良県生駒郡阪野農園産 古都華のロイヤルストロベリーパフェ」
「古都華(ことか)」は以前「銀座しのはら」でいただいたことがありましたっけ。奈良県産のオリジナル品種の大粒イチゴ、何が凄いっていうと香りです!イチゴってそれほど香りが強くない果物のような気がするのですが、甘く華やかな香りに包まれる幸せに心が気持ちよく揺蕩ってしまったため、珍しく手を付けるのを躊躇してしまいます。
上に乗っているだけで5個、中にも果肉が入っています。
イチゴ自体はちょっと酸っぱいのがあったり、甘みが強いのがあったり。中にはややフローズンなイチゴも入っており色んな表情の「古都華(ことか)」を楽しめます。中にストロベリーアイスやソースが入っているのですが、全て古都華を使用。これが旨いのなんの。こんな自然で滑らかで柔らかい味のイチゴアイスは初めてです。酸味を感じないのも好み。中には資生堂のシグネチャーのバニラアイスもしっかり。最高です。最後は取っておいた丸々大きなイチゴを一口で頬張ります。贅沢過ぎ。もう二度と食べられないとは思いますが、価格以上の価値を感じるイチゴパフェでした。
パフェついでにもう1店、「ラデュレ サロン・ド・テ 銀座三越店」。10時から営業しており、三越正面入り口脇に専用階段があるので便利です。いただいたのは「ル・パルフェ・イスパハン」。ラデュレのシグネチャーケーキの1つ「イスパハン」をパフェにアレンジ。ちなみにイスパハンは天才パティシエのピエール・エルメがラデュレ在籍中に発明したバラとライチ、フランボワーズのマカロンケーキです。
「ル・パルフェ・イスパハン」
上には一片のバラの花びらでディス・イズ・エレガント!ローズ風味のクレーム・シャンティとアイス、フランボワーズのソルベ、ライチの果実とジュレ、周囲を沢山のフレッシュなフランボワーズが彩ります。先ほどの「古都華」もそうですが、こちらも香りが素敵。ライチのキュンとする甘み好きだわ〜。ライチ使うのは本当憎らしいよエルメさん。ラデュレのパフェはクリームが多過ぎてもったりすることが多いのですが、これはバランス良し。食後感も爽やかでした。
話は飛んでルンルン気分で資生堂を出た後は、「銀座 黒田陶園」で開催中の『渡辺愛子個展-陶を見つめて-』へ。普段は伊賀、信楽で仕事をされている作家さんですが、数十年かけて六古窯(越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前、陶磁器研究家の小山冨士夫さん命名)全てで作陶する「ひとり六古窯」という壮大な企画に挑戦中だとか。確か今回は越前、常滑に続く第三弾で「丹波」です。丹波の焼物ってあまり記憶が無い。昨年出光美術館で開催されていた『六古窯―〈和〉のやきもの』展も拝見したはずですが。。。自虐的に「特徴が無いのが丹波焼の特徴」と記載しているサイトも。
とはいえ渡辺さんの作品はキャラが立っているように感じます。通常の作品と比べこざっぱりとした印象、ごく落ち着いた色と風合いですが、奔放さとバイタリティが素敵。陶芸に限らず女性アーティストの作品はやっぱり嫋やかさがあり見ても手に持ってみても心地良い。会期終了前だったため20点以上用意したとういう猪口は残り3点。いずれも大きく形の異なるものでしたが、やはり熱燗ラブなので平盃をお持ち帰り。深い茶と緑、小ぶりで色、サイズ共に好みにフィット、やや厚手でお酒を優しく、くるんとくるんでくれそうな器です。くるくる書いていたら岸田衿子さんの「くるあさごとに くるくるしごと くるまはぐるま くるわばくるえ」と『くるあさごとに』という詩を思い出しました。優しいけど芯の強い詩。少しエッジの効いた飲み口のものは持っていないので、どんな味になるか興味津々。箱と一緒に受け取れるようにしたので手元に届くのは2週間後、渡辺愛子さんの猪口で美味しい熱燗をいただくのが本当に楽しみです。
六古窯の中でも越前、瀬戸(釉薬?)、丹波はイメージが湧きにくいです。陶磁器=瀬戸物というくらい名称はメジャーなのですが、何故?茶道ブームのためか美濃(志野、黒瀬戸、黄瀬戸、織部)のイメージが強いです。第四弾は「瀬戸」の予定とおっしゃてた気がするので、むしろ作家の個性が強く発揮されそうな予感。今年5月には伊賀、信楽作品の個展も黒田陶園で開催されるそうなので、また足を運んでみようと思います。
「サロン・ド・カフェ 資生堂パーラー 銀座本店」の天井画、今度どなたの作品か聞いてみよう。
※追記
壁の照明は、大樹に咲いた花からこぼれ落ちた花びらのイメージ、天井の油彩画は『木を聴く』という題名だそうです。「銀座百店No.784 2020年3月号 【GINZA拝見】」より。
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