「 生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代」東京オペラシティ アートギャラリー

「 生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代」東京オペラシティ アートギャラリー
国立能楽堂からも徒歩圏内、初めて「東京オペラシティ アートギャラリー」にお伺いしました。1921年、高知からの農業移民の長男としてサンフランシスコで生まれたというフォトグラファーの石元泰博さん、この展覧会で初めて知った方でした。

展示はシカゴ時代の初期作品、シカゴ、東京、桂離宮、日本の産業、ポートレート、近代建築、両界曼荼羅、食物誌/包まれた食品、伊勢神宮などに分かれています。曼荼羅、イスラムの空間と文様、食物誌以外は全てモノクロ写真です。実験的な初期作品、カボチャ、紙、ネット、グラスなどを使った作品は構図や陰影が面白い。その後のシカゴ、東京の街並みも当時の人々の服装や表情、幾何学的な構図などがユニーク。雪が積もった車を写した「雪と車」が一番好きでした。想像力が膨らむ色々な水着姿のお尻を写した「ビーチ」、東京で撮影された「ヌード」も良い。

それに対して建築物の写真はどうもピンと来ませんでした。一度行ってみたい桂離宮ですが、建物自体に造形的な美しさがあり、個人的に写真の魅力であると感じる偶然性の力は乏しいからでしょうか。近代建築、伊勢神宮なども美しくはありますが、作品というよりは記録的な要素が強い気もしてしまう。急に登場した曼荼羅の拡大写真もびびった。突然過ぎて意味がわかりませんでした。展示の仕方にも問題あるのでは。京都、東寺「教王護国寺」の国宝『伝真言院曼荼羅』を接写拡大したもの、1977年の発表時には曼荼羅ブームが起きたという。大学時代にちょっとはまった曼荼羅、とても難解なカオスな世界です。

ポートレートは楽しみにしていたのですが、作品が8点しかなかった。。。しかし森進一、土方巽、李礼仙、三島由紀夫(体のバランス面白い)、四谷シモン(人形作家)など癖つえぇ〜。この面子だと横尾忠則が可愛く見えるな。滞在時間1時間半ほど、歩いて国立能楽堂へ。時間があったので、能楽堂側のお気に入りの喫茶店「泥人形」でコーヒーとチョコレートケーキをいただきました。ごちそうさまでした。

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