第30回靖国神社 夜桜能 狂言『花盗人』能『乱』靖国神社能楽堂

第30回奉納 靖國神社 夜桜能 能『乱』/狂言『花盗人』靖国神社 能楽堂
コロナで中止されていたこともあり数年ぶりの「靖国神社 夜桜能」。桜は散り始めでしたが、時折風に吹かれて桜の花びらが舞い散るのが美しい。気温も高めで快適でした。

配役

舞囃子『養老(ようろう)大坪喜美雄
狂言『花盗人(はなぬすびと)野村万作・野村萬斎(和泉流)
昨夜こっそり手折った桜の評判が良かったので、連日盗みに来た男ですが、家主に見つかり枝に縛られてしまう。初めは強引な言い訳をしていたのですが、「この春は 花の下にて縄つきぬ 烏帽子桜と 人やいふらん」という歌を詠んだことから気に入られ酒盛りになるという、稀有な状況に。さらに最後には家主が数本の枝を折り、男に贈るという凄い話。あまり共感できず。。。笑い所も少なく、客席もちょっとキョトンとした雰囲気があるような気がしましたが、万作さんの醸すオーラに癒されます。

能『乱(みだれ)宝生和英(宝生流)
シテの宝生和英(かずふさ)さんは30代とお若い方ですが、宝生流20代宗家。しかしながら、夜桜の中の「猩々」は最高ですね。熱燗飲みながら見たいわ。短く、師匠も単純。足を上げ下げしながら微笑を湛えて舞う猩々が何ともいえない無邪気さ。水の上に遊ぶ子供みたいな感じですが、声を発すれば太いので、そのギャップが不可解さを増幅。飲み過ぎたのか途中でペタンと座ってしまう様子も素敵で、酒飲み同士の共感を感じ、いつか自分も猩々氏と酒を酌み交わしたいものです。野外での能は特に一噌隆之さんの笛の音が美しい。火入れ式も笛の音で始まるのですが、耳に寄り添う心地良さが素晴らしい。やはり野外での演能は良く、また来年もお伺いしたい夜桜能です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました