「国立能楽堂夏スペシャル 狂言と落語・講談」国立能楽堂

「国立能楽堂夏スペシャル 狂言と落語・講談」国立能楽堂
国立能楽堂で興味深い公演「国立能楽堂夏スペシャル 狂言と落語・講談ー蠟燭の灯りによる 特集・魂魄のゆくえ」を拝見しました。

配役

講談『番町皿屋敷』神田松鯉 
口座は正面よりやや右斜めに配置、蝋燭の灯りは情緒はありますが、光量不足で顔の表情が見えにくいのが辛い。演じる人、流派により微妙に設定が違うのか。青山主膳の住んでいる屋敷は、もとは魔性の女、千姫のもの。お菊は主膳が捕らえ死刑にした泥棒の娘。しつこい主膳のために自殺しようとしたお菊を止めたのは青山家の用人の相川忠太夫、無才でムサい男とのこと。無残に殺され井戸に投げ込まれたお菊、最後は忠太夫が家に帰ると、お菊の亡霊が訪ねてきていたところで終了。いつか最後まで拝聴したいものです。

落語『野ざらし』柳家さん喬
同じく幽霊が出てきはしますが、楽しいお話。八五郎の破茶滅茶ぶり没頭が面白い。釣りの時に歌う「サイサイ節」も素敵なお声。釣りの部分で下げることが多いですが、最後の太鼓持ちが登場する部分は初めて聞けて嬉しい。下げは「太鼓!?しまった!さっきのは馬の骨だった」

狂言『武悪(ぶあく)大藏彌太郎(大蔵流)
シテ武悪役の大藏彌太郎さんのニンがぴったり。ちゃんと奉公しないだけで、殺そうとする主人も凄いが、武悪はいったい何をした。55分と長めの狂言ですが、前半はゆったり。結局太郎冠者は武悪を殺せず、主人には殺したことにして、逃す。しかし、清水の観音様にお参りに行く途中、墓地がある鳥辺野辺りで武悪に遭遇。太郎冠者の入れ知恵で亡者に化けた武悪のやりたい放題に爆笑。あのちゃんとした衣装や鬘はどっから用意した?地獄に主人の父に会ったと言い、父からの伝言を口実に、主人から刀や扇を巻き上げる、さらに追い立てる痛快劇でした。

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