2月定例公演 能『昭君』/狂言『文山賊』国立能楽堂


国立能楽堂で企画公演「月間特集 近代絵画と能」を拝見しました。絵画は菱田春草の「王昭君」ということで、狂言の前に永青文庫副館長、橋本麻里さんによるプレトーク「中国から日本へ、転変する王昭君の物語」がありました。王昭君(馬上、琵琶がトレードマーク)は平家物語、源氏物語の須磨、宇津保物語にも内容を変えながら引用されているという。安田靫彦の「王昭君」との考え方、取り組み方の違いの話は面白かった。

配役

狂言『文山賊(ふみやまだち)三宅 近成(和泉流)』
「やれやれ」という合図の解釈の違いから二人の山賊が喧嘩する話、短く分かりやすく面白い。果たし合いのようですが、全く死ぬ気なし、二人とも棘とか崖から相手を気遣って優しいな。最後は自分で書いた手紙に号泣、手を繋いで仲良く帰りました。現代のコントにかなり近くて爆笑。

能『昭君(しょうくん)寺井榮(観世流)』
王昭君の話ですが、とても不思議な演目でした。元帝は3,000人以上いる宮女の中から絵師の似顔絵を見て侍らす相手を選んでいる。昭君以外の宮女は絵師に賄賂を渡し綺麗に描いてもらったが、昭君は賄賂を渡さなかったため醜く描かれてしまい匈奴へ送る女に選ばれてしまったという話がベース。途中から舞台前方中央に鏡の作り物が置かれます。

まず「帝に召されて御寵愛限なかりし所に さる子細あつて胡国へうつされて」というような詞章があるのが不思議。昭君が植えていった柳を父の白桃、母の王母、二人で箒で掃いているのが前半ですが、寝てしまいました。。。

後半は太鼓が入り激しい囃子、鏡に昭君の霊が映るのはわかるのですが、この流れで呼韓邪単于(こかんやぜんう)は何故出てきた?親への挨拶?しかも鏡に映った自分の顔を見て、面目なくなって逃げ帰るってなんなの?謎過ぎる。最後の子方のちょっとした舞は綺麗で素敵。今日の能面は前シテ「阿古父尉」、後シテ「小癋見」、ツレ「姥」でした。

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