「古今亭文菊独演会 鮑のし/夢金/薮入り」深川江戸資料館

「古今亭文菊独演会」深川江戸資料館
深川江戸資料館で「古今亭文菊独演会」を拝見しました。

「狸の恩返し」古今亭松ぼっくり
「鮑のし」古今亭文菊
ある個人的な落語会での感想、「寄席で見ると気持ち悪いけど、間近見たら、まだ見られるね」と白鳥師匠に伝え聞いたというマクラから。「新作落語への否定」と「気持ち悪い」は同類項なのね。寄席でもよく聞く演目ですが、後半の甚兵衛が親方にのしの由来を聞いて大家に言いたてる場面は初めて聞いた。
「夢金」古今亭文菊
続けて二席目に。なかなか難しい落語かと思うのですが、しっかり聞かせる。前半、若い娘を船に乗せるまでの熊蔵のいやらしさが楽しい。中盤からはくすぐりは端折って、ドラマのような地に足のついた内容。船を漕ぐ模写などリアリティが感じられる。巧い、巧過ぎる。下げは「二百両〜」「静かにしろい!」

「薮入り」古今亭文菊
円菊師匠の、前座と二つ目は人間ではない!令和では笑えない、苦労してこそなんぼと教えられたというマクラから。三代目三遊亭金馬の「薮入り」が大好きなのですが、越えてきた〜。通常の落語の熊五郎とは違い非常にぶっきらぼう。3年ぶりに帰ってくる息子の亀、前の晩、布団の中で妻に喋り続ける描写から涙腺がゆるむ。5時に起きて家の前を掃除、近所の人に話しかけられても、嬉しい感情を見せないように、いつもよりぶっきらぼう。なかなか帰ってこないので、番頭をぶっ飛ばそうと言い出す始末。亀が帰って来てからは熊五郎と同じように涙が止まらない。文菊さん、表現力が本当素晴らしい。財布の15両を妻が見つけて、怒り出す熊五郎の純粋さが、また良い。皆が優しい落語は素敵です。下げは「孝行息子にはぴったりだ」

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