残念ながらお伺いできなかった新橋の「京味」のご出身、「京味」閉店後は「味ひろ」で修行をされていた南親方が2022年10月に開業した日本料理店「味幸」でディナー。
「鯛の昆布締め、唐墨和え、子持ち鮎、カマス寿司、栗、慈姑チップ」
鯛の昆布締めは言われないと何かわからない新食感、素晴らしい酒のアテ、熱燗は岐阜の「飛切り」のみですが、それで良い。
「焼き松茸」
岡山産、決して香りだけでないと理解できる良質な旨い松茸、今日は松茸尽くしでした。
「胡麻豆腐」
胡麻を擦る音が聞こえてきそうな濃厚な胡麻豆腐、旨い。
「タラ白子の茶碗蒸し」
極柔らかに仕上げ、静謐、そして清潔感を感じます。胡麻豆腐にしろ茶碗蒸しにしろ集中しないと通り過ぎてしまいそうな普通さですが、後からじわじわくるわ〜。
「淡路産鯛、才巻海老」
海老はそれほどでもないですが、噛むほどに甘みが湧き出る、ギュッ身が締まった鯛が美味、山葵がちと辛い。
「鱧と松茸の小鍋」
笠の開いた松茸を使用し香り良く、今まで食べたことのないくらいホワホワの鱧も絶品。
「若狭ぐじ(甘鯛)」
松笠焼きにしないのが新鮮ですが、変に主張が無く、こっちの方が美味しいのでは。
「飛竜頭」
青干しぜんまい、上は榎茸かと思ったら松茸。嬉しい銀杏入りのとろける仕上げは相当の手間を感じさせます。ぜんまいも味が濃くて美味しい。
「松茸フライ」
イカリソースでいただくのが京味流だそうですが、絶品。今日一番好きな料理でした。
「松茸ご飯」
最後は馥郁とした松茸ご飯で。お米もとても美味しく、3杯お代わりいただきました。
「栗餡わらび餅」
中に粒あん、こし餡の入ったわらび餅も美味。
開業すぐということもあり、作り置きできるものがなく仕込みが大変と、南親方がおっしゃっていましたが、それを実感できる内容、料理は極々シンプルですが懇切丁寧な仕上がり、品数の多い魅せる系の日本料理店のものと大きく異なる訳ではないのですが、実はその差がとても大きい、と感じさせる内容でした。素晴らしい。来月訪問予定の人形町の料理店「川田」も楽しみです。ごちそうさまでした。
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