11月企画公演 能『夢殿』国立能楽堂

11月企画公演 能『夢殿』国立能楽堂
なんと7月以来の能楽堂、国立能楽堂で「11月企画公演 聖徳太子1400年遠忌によせて 聖徳太子絵伝絵解き・夢殿」を拝見しました。

まずは竹部俊惠妙蓮寺住職による、富山県南砺市にある古刹、真宗大谷派井波別院瑞泉寺の聖徳太子絵伝絵解きから。舞台上に掛けられた8幅の絵のうち7幅目、聖徳太子37歳前後、今回の『夢殿』に関連する部分を解説(絵解き)。上の赤い部分には聖徳太子から阿弥陀への手紙、青い部分には阿弥陀からの返答が書かれているのが面白い。ただ解説が超真面目な学校の先生みたいで眠気が。。。絵解きってこういうものなのかなぁ。

能『夢殿(ゆめどの)友枝昭世(喜多流)』
歌人、土岐善麿作、喜多実作曲の新作能(昭和18年初演)。飛翔伝説、片岡山伝説(飢人伝説)などの太子伝説を取り入れています。前場は、僧が法隆寺の夢殿にたどり着くと不思議な老人が登場、太子が飢人に衣(舞台では絡子)を掛けた話などを語ります。そして間狂言、長い、しかも門前の者、そんなに詳しくないのね。後シテの面は各地の聖徳太子像にもよく見られる角髪(みずら)、この演目専用のものでしょうか。シテのキャラは、小柄な友枝さんにぴったり合っており素敵。顔は子供でこの声質、超越的な雰囲気が凄く出ていますが、良い意味で気持ち悪さを感じます。黒駒に乗って颯爽と登場、早舞は黒駒に乗る部分はもちろん、古典と比べると写実的な印象。聖徳太子にそこまで思い入れがなく、単純に聖徳太子を讃える曲という印象のため、美しさはありますが、深みはあまり感じられないか。しかしながら久しぶりのお能、風雅な舞と囃子と興奮いたしました。面は前シテ「小尉」、後シテ「太子」でした。

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