落語「春風亭一之輔 古今亭文菊 二人会」かめありリリオホール

開口一番「転失気」春風亭らいち
今年2月に前座になった一之輔さんの五番弟子、落語家になる前はシステムエンジニアだっとそう。男前なので、度の強い似合っていないメガネが残念。わざとなのか?下げは「はい、屁とも思いません」

「高砂や」古今亭文菊
「気持ち悪さは後ろの席まで伝わってますか?」という自虐が楽しいマクラから。ちょっと短縮バージョンですが、謡曲の部分はたっぷりと。婚礼のお開きの場面で、徐々に追い詰められていく八五郎が面白い。

「ちりとてちん」春風亭一之輔
世辞(おべんちゃら)が上手い金さん、胃の中で喋り出す灘の生一本、ついには鯛の刺身が挨拶までするのが楽しい。皮肉屋の六さん、本当は灘の生一本も鯛の刺身も美味しいのに、素直になれない悲しさ。腐った豆腐1丁に対して唐辛子の粉3本と配分がおかしいちりとてちん、六さんが嫌いなのでしょう、のりのりな女房が笑える。激臭なちりとてちんを六さんが匂いを躱しながら必死に食べようとする様子に爆笑。その横でうちわで仰ぐ女房、スパーリング中のボクサー?

「肝つぶし」春風亭一之輔
さん喬師匠のCDでしか聞いたことのない珍しい古典落語、呉服屋の娘に恋わずらいする前半はともかく後半は、笑いどころのない話。ただ聞けたことに意味がある。下げは「肝を潰した!?薬になんねぇなこりゃ」

「抜け雀」古今亭文菊
「なんであんな話したんだろ?やりにくい、嫌がらせ?」とぼやく文菊さんですが、一之輔さんの文菊さんに対する信頼を感じます。女房に顎で使われても、絵師に罵られても「鼻の評判は良いんですけどねぇ」と言い切る人の良い相模屋主人のキャラクターがとにかく最高。父が付け足した鳥籠を見た絵師の姿にじんわりしてしまうのは初めてかもしれません。素晴らしい。

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