寄席「令和3年6月下席 主任:桂やまと」池袋演芸場

「仏蘭西料理 やおら料理店」にお伺いした後、大分時間に余裕が。巣鴨の「パティスリー・ヨシノリアサミ」にパフェを食べにいこうかとも考えたのですが、予定を変更して、未訪の地、池袋演芸場へ足を踏み入れます。席数93席と演芸場な中では小さめ、奥行きが狭く一番後ろの席でも舞台との距離が近くて臨場感抜群、とても良い感じ。

「宿題」林家たけ平
ほぼ終わりかけから参加、桂文枝師匠の創作落語で、昔一度拝見したことがありますが、最後だけだと意味不明。

「カラオケ刑務所」桂才賀
初めて拝見した方でしたが、昔笑点にもレギュラーで出ていた方なのか。落語協会で毎年募集している新作落語台本募集で佳作を取った作品だそう。賞金は佳作5万、優秀賞20万、最優秀賞だと30万円!選考委員もやられているそう。春風亭柳昇師匠の「カラオケ病院」のパクりではなくオマージュです!不謹慎な替え歌が色々聞けて楽しい。余裕たっぷりの語り口が素敵です。

「音曲漫才」めおと楽団 ジキジキ
初めて拝見。シャレで旅巡り、浦和の歌、おデコで笑点のテーマを弾くなど、とても賑やか。

「つる」桃月庵白酒
ショートバージョンでしたが安定の「つる」。下げは「黙って飛んできたのか?」「打ち落とされました」

「堀の内」春風亭一之輔
厭世的な語り口が素敵、上方落語の「いらちの愛宕詣り」と似ていますが、他の落語の面白いくすぐりを集めたような爆笑話。マクラの競歩は落語に似てるという話に妙に説得力ありました。堀の内は杉並区堀ノ内にある日蓮宗の本山「妙法寺」のこと、神田に住んでいた最初浅草寺、一旦家に戻って、妙法寺まで行くとかなり距離があります。ラップみたいにお題目をブツブツ言いながら進む熊五郎を、十戒のように人が避けていく。一之輔師匠のキャラとオーバーラップに爆笑。総武線のレールを角帯と間違たり、自分の子供の名前が金坊→亀治→タケシと変わっていったりメチャクチャ。最後は鏡を外して持って帰るという下げまで、きっちり振りが聞いており流石です。

「あくび指南」古今亭文菊
自分の気取った雰囲気が嫌い、とおっしゃっていましたが不思議な上品なムードが漂います。初めて拝見しましたが巧いな〜。人を惹きつける落語です。あくびの師匠は「欠伸斉長息(けっしんさいちょうそく)」と判明、笑わせていただきました。

「天狗裁き」柳家さん喬
「奇術」アサダ二世
同じ落語でも人によって時間や内容が違うから、色物で時間を調節するんですという流れから、四ツ谷で開催された永六輔さんの落語会でゲストの毒蝮三太夫さんが「湯屋番」を演じた後、小三治師匠が全く違う形で「湯屋番」を演じたというエピソードを話されていました。同じような落語をするのはタブーですが、小三治師匠、人が悪くて、格好良いです。

「幾代餅」桂やまと
才賀師匠のお弟子さんなんですね。寄席で「幾代餅」を披露されるのに驚きました。池袋演芸場ならではでしょうか。搗き米屋六右衛門の奉公人の清蔵は1年5両稼ぐも、幾代太夫に会うには15両かかり、主人に10両貸しという設定でしたが演じる方によって違うのか。じっくり聞かせる話で、少し寝落ちしてしまいましたが、最後はハッピーエンドの沁みる話です。

池袋演芸場がこんなに素敵な所だと思いませんでした。演芸場目的で今までより池袋に立ち寄る機会が多くなるかもしれません。

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