小料理屋 居酒屋「しらたまや」銀座六丁目 泰明通り

歌舞伎好きの女将が1人で切り盛りされている小料理屋「しらたまや」、実は素敵なお店が沢山入っている銀座を代表する(と勝手に思っている)雑居ビル「ウエストビル」の地下2階にあります。2017年8月のオープンだそうですが、1年半ほど全く気づかず2019年初頭に初めてお伺いさせていただいたでしょうか。歌舞伎座昼の部終わりにちょうど良い15時30分から、土日も営業されているのが大変嬉しいです。

「ウドの梅肉和え」
「ウドの梅肉和え」しらたまや
ウド、蕗の薹、ワラビ等の山菜もちらほら見かけるようになりました。春ですね。コースの品数は選べるのですが、一皿一皿は少なめ。歌舞伎は1人で行かれる女性も多く、女性に優しいボリュームとなっています。実際、男女問わず1人客がかなり多いようにお見受けします(私もそうですが)。

「栃尾揚げのネギ味噌焼き」
「栃尾揚げのネギ味噌焼き」しらたまや
美味しい油揚げの代表といえば栃尾産。おそらく客の9割以上が歌舞伎に馴染みがあるため、1人でもすぐに溶けこめる空気感。女将の温かく気さくで伸びやかなお人柄、自然な気くばりも素晴らしいです。そして当然ながら−あからさまに表には出ていませんが−歌舞伎への情熱も凄い!

「車海老、出汁スープ付」
「車海老、出汁スープ付」しらたまや
キチン、アスタキサンチン、カルシウムなど栄養豊富な尻尾、頭、皮まで全ていただきます。十三代目市川團十郎白猿襲名おめでとうございます。

「花わさびのおひたし」
「花わさびのおひたし」しらたまや
心地よい辛味の花わさび、旬の食べ物は美味しいです。一般的にメジャーではない歌舞伎という話題で盛り上がれるのが一番の酒肴の場合も。

「鶏胸肉の酒粕漬け焼き」
「鶏胸肉の酒粕漬け焼き」しらたまや
睡龍の酒粕を使用されているそう。食いしん坊なので料理の分量は物足らないのですが、そこは日本酒でカバー。お燗向きの日本酒の品揃えが素晴らしいです。「開春」「天隠」「十旭日」「王祿」「小笹屋竹鶴」「満天星」「辨天娘」「奥播磨」「睡龍・生酛のどぶ」「丹澤山」「神亀」など、自宅でもお馴染みの日本酒がずらり。島根の酒屋から仕入れているそうで、島根県の日本酒に強い。毎度いくつかの猪口から選択するのですが、好みのものが無いので、今度持ち込んでみようかな。

「セリとタラ白子のお吸い物」
「セリとタラ白子のお吸い物」しらたまや
美味しいセリ根もしっかり入っているのが嬉しいです。「しらたまや」を始める前はIT企業にお勤めだったそう。料理のクオリティも最初お伺いした時から随分上がられたように感じます。

「ホッキ貝ご飯」
「ホッキ貝ご飯」しらたまや
貝から出る滋味なエキスをたっぷり吸い込んだ炊き込みご飯。二月大歌舞伎の『菅原伝授手習鑑』の菅丞相の大好きな紅白梅をイメージしています。

「ほしいも」
「ほしいも」しらたまや
日本一のほしいも生産地、ひたちなか市、東海村、那珂市ほしいも協議会のもの。ねっとりした食感に口の中に広がる自然な甘みが最高。干し芋に関しては大変未熟ですが、今まで食べた中で一番美味しいかも。

宝塚ファンの集まるバー「ミロワール」は有名ですが、銀座に歌舞伎好きの集まるお店を作られたのは画期的(今まで無かったのが不思議)、とても素敵なコンセプトのお店です。また「歌舞伎に行ってみたいけど、最初はどの演目を見た方が良いかわからない?」「どう楽しめ間わからない?」「もう何がなんだかさっぱりわからない?」という方にも優しく歌舞伎道をご教授してくれるはず(本来は気軽な庶民の娯楽だったはずだが・・・)。

歌舞伎座は3月10日まで、国立劇場は3月15日まで休演が発表されました。ただでさえ閑散としている銀座ですから、客足はどのようなものになるでしょうか。出来るだけお伺いさせていただきたいと思います。ごちそうさまでした。

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