「鮨 鈴木」銀座六丁目 外堀通り

2015年6月開店の鮨店、銀座の老舗「鮨 青木」出身の鈴木大将のお店です。開店当初から時々お伺いさせていただいております。基本的に赤酢のシャリはあまりピンと来ない場合が多いのですが、こちらは別格(鮨 太一も好き)。食べ物の得手不得手がはっきりした大将の個性がよく出ているのも好ましいです。鮨屋なのに酸っぱいのが苦手ということで、酸は控えめ、塩のバランスも丁度良く、かといって陳腐になっていない旨味のある絶妙なシャリ、握りは固めで、食感の良く仕上げてあります。シャリとタネどちらが重要かと尋ねられれば、どちらも10割!と答えますが、鮨屋の個性はシャリ7〜8割と思っています。鈴木さんのシャリ、旨いです。

今日いただいたのは以下17貫、巻物4本です。
「ヒラメ、ブリ、白甘鯛、クエ、赤身漬け、小肌、カマス、鯖棒寿司、コウイカ、赤貝、平貝、ウニイクラ子丼、クルマエビ、アナゴ、マグロ手巻き、タマゴ」
追加「下足、鯖棒寿司、小肌、ひもきゅう中巻き、ガリハダ、干瓢巻き」

いつもトロは抜いて白身魚に変えてもらいますが、ヒラメからクエまでの流れが素晴らしい(ブリは赤身ですが)。今年初めてのブリは脂のりも程よく美味。炙りのクエも絶品です。クエ、カマスなど江戸前鮨では使わない素材も美味しければ使用されており、それもお店の個性となっています。いくつか写真を撮らせていただきました。

「鯖棒寿司」

多くの人に鮨鈴木のスペシャリテと認識されている逸品。春から初夏はお休みなので、久々にいただきましたが、やはり絶品!極厚の鯖と昆布の旨味、そしてこの赤シャリ、各素材の一体感が素晴らしいです。

「小肌」

無駄のない美しい所作も見所の握り。ふっくらした食感を残した軽やかな酢締め、赤シャリと身の赤さの調和、墨で描いたような不規則なドット柄とグラデーションで、モダンアートのような見目も煌びやかです。

「ウニイクラ小丼」

小ぶりですが、発色が綺麗な北海道利尻のウニ、きっと美味しい利尻昆布をいっぱい食べているのでしょうと想像される旨味。イクラの醤油漬けもシャリに合わせてやや固めに仕上げてあります。

「ひもきゅう中巻き」

赤貝の紐と胡瓜の巻物。通常細巻きですが、素材ぎっしりの中巻きで仕上げていただきました。コクのあるコリコリ食感の赤貝と青く瑞々しい胡瓜の清涼感の調和が素敵。最高です。

続いての巻物は、こちらも鮨鈴木の名物と言ってもよい「生姜」を使ったもの。

「鮨 青木」の流れを汲むガリは通常良くある薄いものとは違う種類の生姜を使用して、酸味柔らかで食感良好。ガリが一番旨いという方も多いとか(大将に怒られます)。

「ガリハダ」

他の鮨屋さんで注文すると驚かれることが多いのは、古風な巻物だからでしょうか。握りも旨いですが、これはこれでまた旨い。

「干瓢巻き」

お鮨屋さんでは最後に必ず干瓢巻きを頼むのですが、鈴木大将のはお気に入り。「巻物は苦手なんですよ」と謙遜されますが、かなりのレベルだと思います。やや固めに巻き、干瓢の凝縮感は見ていても嬉しいものがあります。大満足。

現在予約が全く取れない鮨店も多い中、比較的予約が取りやすいのも良い。それもあってか飲食業の方と遭遇する確率はかなり高めで、銀座の鮨職人御用達の鮨屋という一面もあるでしょうか。味は超一流かと思いますが、現在お店の雰囲気が素晴らしい店が指示されやすい傾向にあり、客を巻き込んだ派手な演出は苦手というのも予約困難店にならない原因かもしれません(単に顔が怖いだけという噂も有りますが)。シャイで裏表がない性質で食べるのが大好きな鈴木さんのトークで面白いのは、普通鮨屋で他の鮨屋の話は遠慮するものですが、大将自ら「好きな鮨屋ありますか?」とか「先日あそこに行った」とか積極的に話をされるのはユニーク。本日も勝手にとある鮨名店の話をし始め自爆しておられました。。。とても楽しい。ちなみに最近のヒットは三笠会館の鶏唐揚げ(外食としての唐揚げ発祥のお店!)だそうです。繁盛はして欲しいものの、ゆるゆると営業されることを強く望む素敵なお鮨屋です。ごちそうさまでした。

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