鮨「さわ田」銀座五丁目あづま通り #3

定期的にお伺いしている最高の鮨店「さわ田」、今年初めてのお伺いです。1月から予約が「OMAKASE」のみになりました。全世界から予約が入るので、予約が取れなくなるのではっ!と戦々恐々としていたのですが、最近の人気店のように一瞬で予約が無くなるという状況でないのが嬉しいです。電話が繋がった時の感動、予約が希望日で取れた時の感動はなくなりましたが、ネット予約が便利なことは間違いありません。人間は生き物の中で最も非合理的ではないかと思いますので、あまり機能的になり過ぎるのは避けたいところとか、そんな考えは今日はどうでもよく、鮨をいただきます。

今日は22貫、追加3貫、巻物1本。
「ヒラメ、スミイカ、赤貝、サヨリ、鰤、蛸、小柱、赤身漬け、中トロ、霜降、大トロ、コハダ、蒸鮑、ハマグリ、車海老、しめ鯖、ミル貝、迷い鰹、イカ印籠詰、砂ずり炙り、バフンウニ軍艦、穴子、玉子」
追加「コハダ、蛸、鰹 高知風、干瓢巻き」

「ヒラメ」お伺いしたのは一ヶ月半ぶりですが、一貫目は毎回飽きずにまたこの場所に帰ってこれたという感動が溢れます。魚の甘みを強調する、酢と塩に効いたシャリが最高。やはり握りだ。

「赤貝」宇部のもので特大ですが、味はやや薄め。宮崎県閖上の赤貝は貝毒ではないのですが、色が黒くて使えないそう。ただ唐津の赤ウニの黒いもののように、味が濃厚でとても美味しいらしい。こっそり出してくれませんか?

「蛸」さわ田さんを訪れるようになってもっとも感動した食材が煮蛸です。他の和食店などでも美味しいものを出してくれる時があるのですが、こちらには到底及びません。シャリとのバランス最高の甘さと、きっと歯がなくても食べられる柔らかさと心地よい食感。至福です。

「鮪」この冬、最後の大間。赤身漬けの鼻に抜ける豊潤な香りが素晴らしく最高に旨い。脂はのりのりですが、良質でくどさは全くなし。大トロの繊維もほとんど気になりません。網に乗せた熱々備長炭で炙る砂ずりは、見た目は完全に牛肉。口に入れた瞬間とろけます。悶絶。

「煮蛤」好物ですが、あまり美味しいお店に出会えないのがハマグリ。江戸前鮨の定番なだけに悲しいです。おそらくほとんどのお店で使用されているのは朝鮮ハマグリ、本日いただいたのもそうでしたが、やや身が硬いそう。硬かったり噛み切れないととどうしてもシャリとのバランスは悪くなります。来週辺りから桑名の大和ハマグリが登場予定。激しく楽しみ。

「車海老」千葉県小芝産の東京湾の特大車海老!大きいので通常は2つにカットするのですが、今日は齧り付きでいただきました。噛み切るときのプリプリの快感が堪りません。上品に食べるだけが鮨ではありません。最高。

「迷い鰹」通常太平洋を回遊する鰹ですが、日本海で獲れるものが迷い鰹。今日は若狭辺りで鰤と一緒に獲れたもの。今年は鰤が良いせいか、迷い鰹もたくさん獲れている印象です。他のお店でも頻繁に出会いました。追加は厚切り、にんにく、塩の高知スタイル。口の中で鰹がのたくる凶暴な旨さ。

「干瓢巻き」今日は山葵多めの2つ切りの齧り付き。わさび効くーっ!日和ってゆっくりモグモグ食べてしまいました。。。江戸っ子ならバリバリいかないといけません。来月はそうしよう。ちなみに鮨食いが寛平巻きで「山葵たっぷり」と注文するのは、その店の山葵最高って意味、逆に「山葵抜き」と注文するのは山葵最低って意味。

本日も澤田親方のトークが冴え冴え、楽しく幸せな2時間半でした。奥様とのコンビも素晴らしかった!こちらには「全部巻き」とか「さわ田スペシャル(カリフォルニアの方が命名)」とか呼ばれる鮪の全部位を豪快に入れた太巻きがあります。私はトロがそれほど好みでないため、相席した方のご相伴にあずかり1度しかいただいたことがありませんが、本日もアジア系の方が注文していらっしゃいました。その光景は鮪富士、本当に巻けるのか親方!?と思わせる出来上がる過程と、美味しそうに(少しどうやって頬張るか悩みながら)いただいている様子を眺めるのも最高に美味しいです。自作の「燗どうこ」が壊れてしまったそうですが、お鍋で良い温度にお酒を温めていただいてありがとうございます。冗談のウケがいまいちだった時の「あんまり受けなかったですね。。。」っていう悲しそうなお顔が好きです。いつも感謝です。

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