鮨「すし家」銀座六丁目 数寄屋通り

銀座六丁目、数寄屋通り沿いの素敵な雑居ビル「花椿ビル」にある「鮨 かねさか」系列の鮨店「すし家」にお伺いしました。何度かお伺いしたことはあるのですが、現在本店が改装中のため、なんと!金坂大将が付け場に立たれているということをお知らせいただき、早速お伺いしました。

もうお店に入った瞬間、いつもと違う。カウンター7席の小さい店ですが、より狭く見えますね。写真を撮らせてもらおうとも思ったのですが、切りつけた魚の美しさを見た瞬間、そんな無駄なことはせず、鮨に集中しようという気持ちになりました。

いただいたのは追加含め16貫+巻物2本。
マコガレイ、鯛 昆布〆、カンパチ、赤身漬け、中トロ、アオリイカ、小肌、車海老、鯵、鰹、イクラ、煮蛤、バフンウニ、穴子、干瓢巻き、鉄火巻き、玉子
追加「小肌、赤貝、干瓢巻き

「マコガレイ」
う、旨い。シャリも魚も通常営業とは全く違う。金坂大将が、ご飯のサイズは、種と合わせているので、人に合わせて変えたくないということを仰っていましたが、絶妙な調和。ほんのり赤身のあるシャリは、それ自体のインパクトは弱いが、魚の甘味と香りを強調しており素晴らしい。そして、無駄の無い安定感のある所作の美しさ。もちろん鮨の姿も美しいに決まっています。「さわ田」「鮨 鈴木」と私の好きなお店の大将は皆、所作が美しい(残念ながら両店共に休業中!)。

「鯛 昆布〆」
抜群。しっかり昆布の風味を残しながらも、魚の旨味も感じられます。久々に旨い昆布〆いただきました。魚のサク、それ自体も綺麗で、切り付けた種の厚みも素晴らしい。やはり切り付けは、非常に重要な仕事です。

「カンパチ」「鮪」
カンパチは20kgのものを2週間熟成。旨い。赤身は即席漬けで。香りが良い。つい2日前も和歌山県勝浦の鮪をいただきましたが、こうも違うか。鮪でシャリの温度が上がったのは狙ってでしょうか。

「アオリイカ」
こちらも柔らかさを生み、舌にまとわりつく旨味を引き出す包丁の使い方がお見事。魚の香りが重要だとおっしゃっていましたが、イカには香りないため、薬味に胡麻。旨い。

「鯵」「車海老」「煮蛤」
鯵は鹿児島の大サイズで、やや水気が強く味わいが弱いですが、シャリとのバランスは素晴らしい。朧を入れた車海老、柚子を使った蛤も柔らかく甘味が素敵な素晴らしい仕事。

「穴子」「赤貝」
赤貝はトロトロで蕩けます。全ての鮨で、素材感がしっかりしていますね。追加の赤貝は粘りを残して、コリコリとした食感に昆布のような旨味を感じます。久々に美味しい赤貝いただきました。

「干瓢巻き」
干瓢巻きはデフォルトで、お弟子さんが鉄火巻きと合わせて巻いていただきましたが、1本いただきたかったので追加。山葵入りで金坂大将に巻いていただきました!干瓢は少なめではありますが、ご飯、海苔との関連、空気の入り方も良い。ある鮨食いの方は、干瓢の配置の仕方がポイントとおっしゃていましたが、やっぱ何やかんやで違うんだよな〜。流石でございます。大満足。

これで通常と同じ価格だったのも嬉しい驚き。種も重要ですが、やっぱり鮨店の個性はシャリです。5年前に金坂大将の握りをいただいた時は、とても綺麗な味わいだと感じたのですが、5年間で色んな鮨をいただいた今も印象は同じ、ただ他と比較ができる分、魅力や個性はより強く感じられました。また鮨は食べた後の酢による後味が悪いことが、よくあるのですが、食後感良く、その点でも素晴らしい。このレベルで、この価格だったら間違いなく毎月通いますわ。久しぶりに江戸前鮨らしい鮨を食べられて大満足です。また機会があれば金坂大将の握りをいただいてみたいものです。ごちそうさまでした。

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