「令和2年7月上席 主任:柳家喬太郎」浅草演芸ホール

3月7日の「柳家権太楼独演会」以来4ヶ月振り!の生落語。浅草演芸ホールは基本当日券なので、ウキウキして開始2時間前に付いてしまい整理番号11をゲット。喫茶店「モンブラン」にはパフェは有りましたが、モンブランは提供していないようなので、結局はお気に入りの「アサクサカフェ」でマンダリンとミルクレープを嗜みながら待機。20分前に集まり体温検査と消毒、マスク着用。劇場前に整列させられるのは勘弁してほしいが、距離を保ちつつ順番に入場です。客数は半分に減らしており、最初は1割ほどの入りでしたが、最後は9割は埋まっていたでしょうか(2階席は不明)。それでも半分なので、以前の賑わいには少し遠い。これが通常になるのでしょうか。それでも普通にマスク外してビール飲んでるおっさんがいたり、弁当食べてる人がいたり緩やかな雰囲気で落ち着きます。

「寿限無」三遊亭まんと
「浮世床」柳家小んぶ
出てきた時から面白そうな空気を感じる方ですたが、実際面白かった!無筆の吉公が頑張って太閤記を読み聞かせる落語。「あー」「えー」「おー」「んー」「えぇぇぇー」とか色んなバリエーションの淀み方が楽しく、一段から二段へなかなか進めない際の「子供だって2つになるのに1年かかる!」と言い訳が素敵。下げは「どうにか抵抗するからていこう記」

「犬の目」柳家小傳次
目を患った方が眼科へ受診し、終いには犬の目を入れられてしまう落語らしいイリュージョンを感じる話。眼科医ヘボンの弟子が新井シャボンというのが面白い。人と犬の目玉を抜く時の擬音が違うなど細かい拘りが。下げは「裏返しに入れてしまった」

「漫才」おしどり
初見。師匠は横山ホットブラザーズという。アコーディオン、ツッコミ担当のマコさんと針金細工、パントマイム、ボケ担当のケンさんの夫婦コンビ。「愛してる」に対する冷静な「知っています」の返しが面白い。ソーシャルディスタンスを気にしてコンビはやや離れ気味の立ち位置で、少しやりにくそうです。

「林家こん平の話」林家たけ平
「熱血怪談部」林家彦いち
先週の水曜にTBSラジオ「伊集院光とらじおと」でゲスト出演されていたのを拝聴していたのでホットな方でした。熱血教師に怒られるのっぺらぼう(声色は良いが表情がイマイチ)や幽霊(長髪、長スカートが校則違反)が可愛いです。怪談は「霊に始まり霊に終わる」面白かった!

「曲ごま」三増紋之助
初めて拝見する方でしたが、面白かったな〜。やっぱ寄席いいわ〜。変なテンションだと思ったら林家こん平一門と知って納得。綱渡りするコマの上で回るアマビエ様が大変シュールで楽しい。

「権兵衛狸」桂文楽
「ペヤングソースやきそば」のテレビコマーシャルで有名な方だそうですが初見。大きな体、80歳オーバーでそれだけでも風格有ります。桂派らしい忠実な落語は安心して聞いていられます。下げは「今夜は髭やってくんねい」

「看板のピン」林家木久蔵
ファイザー製薬のCM出演の話は面白かったですが、前回拝見した時と同じく落語はあんまり上手でないのかも。。。がんば。

「紙切り」林家正楽
今日は線香花火、船徳、柳家喬太郎、祇園祭り、脚本家の5作品。独特の揺らぎによる即興芸には、何度拝見しても常に驚きがあります。今度小説家のリクエストがきても安心ですね。

「粗忽長屋」柳家はん治
「短命」柳家喬之助
「相撲の話」三遊亭歌武蔵
「ただいまの協議について、ご説明いたします」のお馴染みの入りから、三遊亭歌武蔵/柳家喬太郎/三遊亭兼好のリモート落語、リモート飲み会、無観客相撲の話など。たびたび拝見するが、なかなか落語やんない歌武蔵さんです。

「漫才」ニックス
「長短」柳家さん喬
CDでは拝聴しているのですが、ライブは初めて。マクラは少なく、たっぷり古典落語を披露してくれました。嬉しいなぁ。極端に正反対な短気者と気長者の友達の話で、とても難易度の高い落語だと思うのですが名人芸!2人の対比が面白いはずなのですが、気長者をどこまでゆっくり飽きさせずに演じるか。極もったりした饅頭の食べ方、タバコの吸い方とか表現力が素晴らしくて、最高に巧い。極上の舞台芸術体験に涙が出そうになりました。素晴らしい!

「芋俵」柳亭市馬
与太郎が出てきて笑えるお話ですが。与太郎が出てくる話は、演者までふわふわしてしまうと冷めてしまうものですが、声の良さと、落ち着きがあり安定感のある落語。「頭を使ったんだけど」と言う与太郎への「安い酢ダコじゃねぇんだから」の突っ込みが秀逸!下げは「気の早いお芋だ」

「浮世節」立花家橘之助
2017年の襲名公演を始め、たびたび拝見している女性三味線漫談家?、落語間の良い変化であり、とても好きな方です。じとっとした、ぬめっとした夜型、辛口ですが憎めないしゃべり口も素敵です。「猫じゃ猫じゃ」の可愛い『おっちょこちょい節』から、古今亭志ん生『一丁入り』、古今亭志ん朝『老松』、5代目柳家小さん『序の舞』と3名人の出囃子を披露していただきました。聞き比べると三味線の「本調子」「二上り」の違いもよく分かり楽しい。最後はお馴染み『たぬき』で締め。

「池袋すなっくらんどぞめき」柳家喬太郎
舞台に登場された時、あっ、顔色悪いなと心配になったのですが、流石でした!今朝マックの店員になった夢を見られたそうですが、客いじりから面白過ぎた。女の子の幼児にあんなこと言うかっ!?素晴らしいです。お馴染みの池袋の西武に異常にへりくだる東武など鉄道を擬人化したマクラから落語の入りも古典と思わせておいて新作。「二階ぞめき」の吉原を池袋(すなっくらんど)に変えたオリジナル。池袋に詳しくないので六ツ又陸橋とかファミマが多すぎるとか理解できない部分も多いですが、それも笑いに変える。ドムドムバーガー、ダンキンドーナツの話では「ダンキンって立川流ですか?」の擽りが最高。立川談金って絶対いる。池袋をこき下ろす表現も多しですが、喬太郎さんの池袋愛が伝わるので全然嫌な気持ちがしません。最後は2階に作った今は無き「すなっくらんど」(平仮名表記がポイント)の全種類の寿司が酸っぱい握り寿司コーナーで、女性を誘う若旦那が悶絶、座布団からも転げ落ち大爆笑と拍手の中、終演でした。喬太郎さん、最高です!

4時間座りっぱなしでお尻は痛くなりましたが、本当嬉しい。本当最高。演者の皆様もおっしゃっていましたが、舞台は生物、客の顔や反応を見てやれる喜び、こちらも演者の生の心の動きを感じながら、周りの生の笑い声を聞きながら見られる喜びで胸がいっぱいでした。生の寄席最高。演者、関係者の方々にも心より感謝です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました