まだオープンして1年経っていませんが、既に大人気のフレンチレストラン「銀座 大石」に5ヶ月振りにお伺いしました。
「甘海老、帆立、燻製キャビアのグジェール」
グリュエールチーズのグジェール生地、中に甘えび、帆立のタルタル、上に桜エビと燻製キャビア。小品ながらも大石シェフのセンスを存分に感じられます。美味。
今日の食材。
2連続で羊でしたが、今日は豚!ふくよかな賀茂茄子の曲線美も素敵。
「バフンウニとボタン海老のコンソメゼリー寄せ、カリフラワーのムース」
余市の塩水バフンウニ、ボタン海老、北寄貝、下にカリフラワーのムース。上に穂紫蘇、じゅん菜を添えて少し和の香り。「銀座大石」の定番料理ですが、ジュレは同じ素材でも配分などを変えた夏バージョン、いつもよりさらに軽い仕上げに。いままでよりも素材の味わいが引き立ち旨い。日本的な感覚(日本料理という意味ではない)を感じられて大変良いです。
「皮剥寿司」
皮剥の肝和え、マデラ酒とフレンチドレッシング、25年&フレッシュなバルサミコ酢の酢飯、ワサビの代わりにレフォール(ホースラディッシュ)。2種を合わせていますが「合わせず(酢)」です。コロナの影響で控えめだそうですが、大石シェフのトークも冴えていますね。このお寿司も定番ですが、チャレンジングな料理で、いつも新鮮さを感じます。
「スッポンのコンソメスープ、鱧」
続いてもお馴染みのコンソメスープですが、貝出汁を合わせてあるのは初めてかも。貝の味わいがかなり強くて美味しい。
「八寸 ジャンボン・ペルシェ、野菜のゼリー寄せ、郡上八幡の天然鮎など」
シャルキュトリは食べても印象薄くさらっと流れてしまうことが多いのですが、豚肩肉を使ったジャンボン・ペルシェが抜群。
「フォアグラ、マンゴー最中」
これも必要あるかと思うくらい素材を重ねています。季節ごとにフルーツが変わりますが今日はマンゴーとパッションフルーツ。ココナツのリキュール「マリブ」のゼリーにココナツクッキー。こちらに関しては、もはやネタ元の「銀座しのはら」の最中を凌駕しています。また今までは、最中担当スタッフによる最中シャッターチャンスがあったのですが、今回はほぼチャンス無しで、お皿に置いての提供。この変化が妙に面白くてこっそりほくそ笑む。
「セップ茸のフリット」
セップ茸をグラナダパーノとパン粉で揚げています。宮崎県産のヘベス(平兵衛酢)を添えて。オープン当時にも出されていた料理ですが、中もジューシーで美味、以前より美味しくなってる気がいたします。海外の木の子はスケールが大きい。
ディナー開始時に大石シェフが大事に作っていたイエローハットが完成。
大好物のパイ包み。
中はこんな感じ。
食事系のパイ包みでは肉を入れる事がほとんどですが、これは面白いビジュアルです。
「鮑のパイ包み」
パイの中身は千葉県房州産の黒鮑、鯛のムース、ソースは2種で肝ソースに、ブールブランはマッシュポテトを入れて軽めに。個人的には濃厚ソースでも構わないのですが、多皿のボリューミーなコースを考えてのこと。鮑となると和食の得意素材なので、比べてしまうと仕上がりは劣りますが、パイが滅茶美味しい。アップデートすれば、もっと美味しくなる予感のする料理です。
豚肉も美味しく焼き上がりました。
巨大でもフライパンとサラマンダーで綺麗に火入れが出来るんですね。
「秋田ポーク、賀茂茄子、万願寺唐辛子」
中身はしっとり、ソースは骨の出汁、脂身を炒めた油、肉汁を合わせた、大石シェフ曰く「トリプルとんこつスープ」。トロトロで甘〜い丸茄子も美味しい。
「ルナピエナ(スイカ)のジュース、ライムのグラニテ」
「飛騨牛飛び牛ランプの炭火焼、赤ワインソース」
赤身ですが、飛び牛だけありサシ、脂の乗りも凄いです。個人的には肉料理は1品で十分なのですが。
〆も出来上がりました。千葉県の1.8kgの太刀魚飯。
太刀魚の骨の出汁で炊いたご飯に増毛の牡丹エビの頭、殻の出汁を煮詰めたアメリケーヌに生クリームを入れたナンチュアソースを掛け、太刀魚、パプリカ、胡瓜を乗せた状態。
「太刀魚のブイヤベース風リゾット(大盛り)」
攪拌し、ブイヤベースを敷いて出来上がりまして、こちらは絶品。味が崩壊しそうなほど、素材を重ねまくっているのですが、それぞれがばっちり調和しており旨い。太刀魚もそのまま食べても美味しいのに勿体ないと思いましたが、これぞフレンチの醍醐味。このセンスはなかなか凄いぞ。
「飛騨牛のカレーライス(大盛り)」
最後は〆の〆にぴったりの爽やかな飛騨牛スジ入りカレーをランチサイズでいただきお腹も大変満たされます。
「ライチのババロア・白桃スープ・バラのソルベ、フィナンシェ、八女茶のクレームブリュレ」
デザートもしっかりが嬉しいです。お茶のブリュレが美味。
今日が3回目でしたが、今まで一番好き、大石シェフの個性がちゃんと感じられてとても良かった。フランスで修行していないという影響もあるのかもしれませんが、フランス、日本に対する同等の愛情、日本人にしか作れない、日本で作る意味のあるフランス料理という趣が料理から存分に感じられたのが素晴らしい(日本人シェフの店において和フレンチという言葉には嫌悪しかないですが)。また印象に残ったのは肉の火入れの話で、自分の好みとは違うが、撮影された時に見た目が良いようにしているということ。やっぱり人気レストランになるには「映え」が必要なのか。いつか撮影禁止で全く問題無いので、大石シェフの本当に美味しいと思う料理を食べてみたい!
今日あんまりだったら次回予約を入れるのを止そうと思っていたのですが、また予約を入れさせていただきました。次回は四つ足でなく飛ぶお肉をいただいてみたいですね。今後の深化がとても楽しみな「銀座 大石」です。ごちそうさまでした。
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