寄席「8月中席 主任:三遊亭円楽」国立演芸場

寄席「8月中席」国立演芸場
国のものですので、真っ先に公演中止になった国立劇場、半年ぶりに国立演芸場に帰ってきました。公演時間は前座抜きで1時間30分(休憩無し)と短いですが、その分、大変濃いぃ内容でした!

前座:「雑俳」桂しん乃
「たらちね」春風亭昇市
なかなかの男前、春風亭昇太師匠のお弟子さん、「師匠があれなんで、覚えが悪いんです」っていのうは面白かった。後で調べてみると何と同郷!そうと分かれば俄然応援したいですね。

「厩火事」三遊亭愛楽
初めて拝見した方でしたが、笑点では山田隆夫さんに座布団を渡す係を20年以上やられているとか。髪結い女房の独断場な落語ですが、女性の役がお上手!オネエ感が随分強めですが、堂に入って最高。「ばーっ」っていう変な泣き声も面白い。先日市馬師匠の「厩火事」を拝聴しましたが、同じ話でも全く印象が違うのが落語の楽しさです。

「桑名船(鮫講釈)」立川談春
笑いは後のナイツに任せて「笑えない落語」を、ということで始まりました久しぶりに拝聴する談春師匠。兵庫船は聞いたことがあるのですが、その派生落語でしょうか。兵庫船では鮫に魅入られるのは巡礼親子の娘ですが、この話では講釈師。鮫に食べられる前に披露した総合講釈が凄い!勧進帳、忠臣蔵、伽羅先代萩、那須与一、大岡越前など有名話のごった煮、ピアノの超絶技巧のような話術です。超速長台詞の後には自然に拍手が起こりました。擽りも沢山ありましたが、「笑えない」とはこういう意味か。本当凄かった。最後の親分鮫に怒られる子分鮫の表現も可愛かった。下げは「バタバタ叩くから、蒲鉾屋かと思った」。

「漫才」ナイツ
久びりのナイツ!やっぱり最高!スタンドマイクでなくハンドマイクで2m以上の距離を開けながらの漫才でした。籠池泰典と河井克行のコンビって何。コロナネタ、『警視庁・捜査一課長2020』の自虐ネタ、半沢直樹ネタ、内海慶子師匠ネタは定番とはいえ毎回少しづつ違って常に笑える。「東洋館の魔女」は何回聞いても面白い!後半は、来年のオリンピックの開会式で英語漫才をするという設定で、「ヤホー」で調べたのはビートルズ、クィーンでした。「オーバーチェンジイングリッシュ!」という土屋さんの突っ込みも冴えてました。これまた得意のドラッグネタでシャブミードゥー、イエローシャブマリンは爆笑。流石でございました。そして2時間後、今年のナイツ独演会「四苦八苦してカンペィが正解」の抽選が外れたというお知らせが。。。残念。

「西行」三遊亭円楽
出家前の西行、佐藤義清と染殿内侍の恋のお話。江戸美人の条件は、烏の濡れ羽色の長い髪、富士額、白い肌、細い目、小さな口など『西鶴一代女』を思い出しました。「よいは待ち よなかにうらみ あかつきは 夢にや見んと しばしまどろむ」など機微に富んだ歌がいくつも出てくるので、円楽師匠も仰っていましたが想像力を働かせながら聴くととても楽しい落語です。「ソメ(ラメ)チャンタラ ギッチョンチョンで パイノパイノパイ」は東京節。ブスの語源はトリカブトの毒のある塊根「附子」というのも勉強になります。落語って本当、為になりますね。何卒、太陽を浴びて36度5分以上に体温を上げようなんて無理はなさらずに、いつまでもお元気でいてください。

時間が短いこともあり、集中して楽しめました。国立なので他の演芸場より、さらに気を付けての営業。演者はもちろん、大変な中、寄席を楽しめる環境を作っていただいている方々にも感謝です。

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