寄席「令和4年3月中席 夜の部 主任:鈴々舎馬るこ」新宿末廣亭

「令和4年3月中席 夜の部」新宿末廣亭
4ヶ月ぶりの新宿末廣亭、「令和4年3月中席 昼の部」の終わりかけから拝見しました。

「戦争小噺」柳家さん八
途中から拝聴、5代目柳家小さん師匠の戦争時代のお話など、興味深い。
「曲芸」鏡味仙三郎社中、鏡味仙成・仙志郎
「ねずみ」柳家小袁治
山形県真室川町の「まむろがわ大使」だそう、東京出身ではありますが、東北と縁がおありということで、仙台の話。しっかりと、忠実に。
前座:「金明竹」鈴々舎美馬
とても可愛らしい方、金明竹の前半まで。
「強情灸」柳家あお馬
「漫才」ニックス
姉のエミちゃんが、顔面神経麻痺で1ヶ月休養されていたそう。心なしか今日は妹のトモちゃんも姉に優しい感じでした。面白い。
「壺算」柳家小平太
定番。下げは「この3円もお返しいたします」
「子ほめ」金原亭馬治
「紙入れ」を思わせる「豆腐屋に似てるって言われてんだ」が楽しい。下げは「初七日!初七日って奴があるか」
「漫談」ホームランたにし
昨年9月、相方の勘太郎さんが亡くなり、1年8ヶ月ぶりの舞台。レクリエーション介護士の資格を取られたそう。中村吉右衛門さんと水谷八重子さんの舞台の話とか、お婆ちゃんがティッシュにくるんでくれたものが、お金と思ったらティーパック(使用済み)だったとう話とか面白かった。体が柔らかいんですね。
「棒鱈」柳亭歌奴
大分出身、視覚障害の方々をご招待した落語会で、絶対に鳴かないはずの盲導犬が桂文治さんが喋り出した途端に鳴き出した話が爆笑。「モズのクチバシ」「十二ヶ月」の唄も素敵。赤ベロベロの醤油漬け、エボエボ坊主のスッパ漬け、鱈もどきは是非食べてみたい。下げは「二階の喧嘩は?」「心配するな、今故障が入ったところだ」
「あゆむ」林家彦いち
寄席でボイスレコーダーで録音されていたマクラが面白い。良い話が集まるバー「あゆむ」の話。長野県諏訪地方の御柱祭りでの良い話と、青森県白神での釣りの拠点となる小屋の受付用紙に自分の特徴を記入する欄があった話など。黒髪、白髪、ハゲ、母親似の流れが面白い。下げは「夢になるといけないマティーニ」、最前列に小さい子供が来ており、彦いちさんに2度話かけていました。あせる彦いちさんが最高。
「紙切り」林家楽一
「横綱の土俵入り」「キリン」「花見」「ゴジラ」、初めて拝見しましたが、切るときに動かないのか。切るのが早い。
「やかん工事中」三遊亭圓歌
相変わらずの下らなさに爆笑。時折混じる下ネタが良い、後半ちょっと飽きてきたが、大好きな落語家です。
「はじめての確定申告」三遊亭天どん
天どんの前に最前列にいらお子様がお帰りになったのに爆笑。子供に見せちゃいけない人物と判断されたのか。確定申告に来た普通のオバちゃん(ウメザワトミオの弟子、ブラッ亭不二子)が実は殺し屋だったというとんでも新作落語。舞台におもちゃのピストルまで持ち出す暴挙に。
「俗曲」柳家小菊
「岡惚れしたのは あたしがさきよ 手出ししたのは 主が先」「花は口実 お酒は道具 酔ってしまえば 出来心」「あたしの商売 豆腐屋でござい〜」の小唄も気が利いています。最後の炭坑節は「一山 二山 三山越え 奥に咲いたる 八重つばき いくら色よく 咲いたとて 主が通わにゃ 仇の花 よいよい」
「首領が行く!」林家きく麿
ヤクザの6割を輩出しているという北九州市出身のきく麿さんならではの落語か。リチャード・ギア主演の『愛と青春の旅だち』から宿題の映画感想文でヤクザ物のVシネを見た4年2組の吉田君と竹井君が、その世界観に魅入られてしまう話。最終的に田所先生も岩下志麻さんのように。ナレーションの学級委員の「血で血を洗う抗争に」は後引くことになりました。
「締め込み」柳家喬之助
初めて聞く落語は楽しい。下げは「明日になったら俺が入りやすい家2、3軒教えてやる」
「太神楽」翁家社中、翁家和助·小花
「おせつ徳三郎 未来編(刀屋)」鈴々舎馬るこ
大須演芸場を新宿末廣亭を新幹線代自腹で掛け持ちした話が凄い。上方の落語家、露の団姫(つゆのまるこ)さんと曲芸師の豊来家大治朗(ほうらいやだいじろう)さん夫婦の話も興味深い。奉公人徳三郎が小網町の大店の娘おせつにメロメロになる様が楽しい。ふさ楊枝の使い方が最高。婚礼の日におせつに逃げられるものの、全てを受け入れる伊勢谷半七など、登場人物が全員おかしい。両国橋から心中することもなく、皆んな一緒に同居予定、ハッピーエンドで良かったです。

コメント

  1. 松原幸子 より:

    末廣亭は、夜の部の中入りまでおりまして最前列の子連れ親子と一緒でしたので同じ時だったようです。
    20年ぶり位の久しぶりの寄席でしたが、とても面白かったです。
    また時々通ってみようと思いました。

    普段は、月に数回観能していましてこちらのブログに辿り着きました。失礼ながらとてもお詳しいですが何か習っていらっしゃるのですか?関係者の方ですか?

    これからも楽しみにしています。

    • myosotis より:

      こんにちは、コメントありがとうございます。
      思いがけない出来事も寄席の醍醐味で、とても楽しかったです。
      私自身は単なる日本の古典芸能好きな、何も習っていない無関係者で、見たこと(特に寄席)をすぐに忘れてしまうため、記録しているだけなのです。
      お能はお能で、寄席は寄席で素晴らしいですよね。寄席もたまには是非。
      役立つことは書けないですが、、、今後ともよろしくお願いいたします。

      • 松原幸子 より:

        早速にお返事ありがとうございました。

        確かに今回の寄席での出来事は思いがけないことで、足を運ばなければ起きなかったことですね。その醍醐味を求めて時々楽しもうと思います。

        何も習っていなくても、お能にあんなに詳しくなれるのですか!びっくりです。元々の素養が全く違うのでしょうね。

        今後もブログを楽しみにしております。

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