歌舞伎座で七月大歌舞伎 第一部、三代猿之助四十八撰の内 通し狂言『當世流小栗判官』を拝見しました。
配役
小栗判官/浪七:市川猿之助(澤瀉屋)
照手姫:市川笑也(澤瀉屋)
矢橋の橋蔵/横山太郎:坂東巳之助(大和屋)
万屋娘お駒/岡村采女之助:尾上右近(音羽屋)
横山三郎:市川男寅(滝野屋)
遊行上人弟子一眞:寺嶋眞秀(音羽屋)
横山次郎:市川青虎(澤瀉屋)
横山太郎妻浅香:中村梅花(京扇屋)
旅女房およし:市川寿猿(澤瀉屋)
後家お槙:市川笑三郎(澤瀉屋)
横山大膳:市川猿弥(澤瀉屋)
鬼瓦の胴八:市川男女蔵(滝野屋)
浪七女房お藤/上杉安房守:市川門之助(滝野屋)
遊行上人:中村歌六(播磨屋)
「横山大膳館の場」から。やはり小栗判官が鬼鹿毛を手懐ける場面が楽しい。鬼鹿毛も元気に暴れていて良い感じ。碁盤上での曲乗りはわかっていてもハラハラします。笑也さんの照手姫も気品があって素敵。「近江国堅田浦漁師浪七住家の場」、短縮版なので、人間関係が分かりにくいが、悪人の胴八は浪七女房お藤のお兄さん。胴八が一計を案じた寸劇の場面は、コメディエンヌ巳之助君の独断場。喋り方とかメイクとかボヤッキーっぽいなと思ったら、猿之助さんへのボヤきもしっかり。最後はかっぽれで退場、こういうお役は流石です。胴八の浪尽くしの後、岩場がぐるぐる回るのも楽しい「近江国堅田浦浜辺の場」は、ちょっと俊寛っぽいと思ったら非常に壮絶、切った腹から流れ出る血潮、最後は逆さ落ちで幕。壮絶、怖い、怖過ぎる。
休憩挟んで「美濃国青墓宿宝光院門前の場」、重宝「勝鬨の轡」を手に入れるために、万屋娘お駒と結婚する約束をしちゃった判官、この辺は右近お駒と笑三郎お槙が可哀想で、全然共感できない。恨まれても当然かと。「熊野国湯の峯の場」は、竹本連中の「道行情靡魂緒綱」に乗せて、なまんだ連発な詞章が面白いし、坊主軍団に祈祷も格好良い。しかしながら寺嶋眞秀君はイケメンですねぇ。絵馬から抜け出した白馬で一気に常陸国へ。大詰の「常陸国華厳の大滝の場」、上からどかっと落ちる雪が凄いな。澤瀉屋らしい、スピーディーでサービス精神をたっぷり感じれれる演目でした。それにしてもナウシカがもう一回見たいな。
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