歌舞伎座で「壽 初春大歌舞伎 第二部」を拝見しました。1本目は『壽恵方曽我(ことぶきえほうそが)』から。
配役
曽我五郎時致:松本幸四郎(高麗屋)
曽我十郎祐成:市川猿之助(澤瀉屋)
化粧坂少将:中村雀右衛門(京屋)
小林朝比奈:中村鴈治郎(成駒屋)
犬坊丸:市川染五郎(高麗屋)
梶原平次景高:大谷廣太郎(明石屋)
鬼王新左衛門:中村歌六(播磨屋)
大磯の虎:中村魁春(加賀屋)
工藤左衛門祐経:松本白鸚(高麗屋)
最初の長唄の詞章からわかるように高麗屋のための新作舞踏劇なのか。こういう「曽我物」もあるのかと感心していたら、猛烈な眠気に襲われました。白鸚さん、最後はやっとのことで立ち上がっているようですが、調子はよくなさそう。心配です。
二本目は『人間万事金世中(にんげんばんじかねのよのなか)強欲勢左衛門始末』、原作は英国作家リットン作『MONEY』、1879年に河竹黙阿弥の戯曲で初演されたそうです。
配役
辺見勢左衛門:坂東彌十郎(大和屋)
勢左衛門妻おらん:中村扇雀(成駒屋)
恵府林之助:中村錦之助(萬屋)
倉田娘おくら:片岡孝太郎(松島屋)
勢左衛門娘おしな:中村虎之介(成駒屋)
雅羅田臼右衛門:嵐橘三郎(伊丹屋)
若い者鉄造:澤村宗之助(紀伊国屋)
親類山本当助:大谷桂三(十字屋)
番頭蒙八:中村吉三郎(播磨屋)
代言人杉田梅生:市川男女蔵(滝野屋)
門戸手代藤太郎:中村松江(加賀屋)
毛織五郎右衛門:中村芝翫(成駒屋)
寿無田宇津蔵:中村鴈治郎(成駒屋)
スロースタートな感じでしたが、だんだん面白くなってくる演目、とにかく彌十郎さん、扇雀さん、虎之介君のどけち一家が面白い。こういうコメディエンヌな扇雀さん好き、そして両親のドケチを引き継いだ、お金大々好きなおくら、自分の可愛さも武器に闘う姿が良い。指輪に見惚れる様子など、演技も細かく、ここまでわかりやすいとスカッとしますね。怪しげな鴈治郎さんと男女蔵さんが登場、きっと辺見家と臼右衛門の本性を確かめる芝居なのかと想像しましたが、次の場面で、「えっ、本当だったの!?」となりましたが、やっぱりお芝居で一安心。錦之介さんには幸せになって欲しい。孝太郎さんのおくらは生え際が赤いのが気になりましたが、錦之助さんと手が触れあい恥ずかしがる場面はこちらもドキドキ。最後は結局、正直者が成功しますが、辺見家も鰹節と100円札でハッピーエンド、きっとこのまま強く生きていくのでしょう。面白かった〜。
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