三月大歌舞伎 第一部『花の御所始末』歌舞伎座

三月大歌舞伎 第一部『花の御所始末』歌舞伎座
歌舞伎座で三月大歌舞伎 第一部『花の御所始末』を拝見しました。帝国劇場で1974年に初演、シェイクスピアの『リチャード三世』から着想を得て宇野信夫さんが書き下ろした作品だそうです。

配役
足利義教:松本幸四郎(高麗屋)
畠山満家:中村芝翫(成駒屋)
安積行秀:片岡愛之助(松嶋屋)
足利義嗣:坂東亀蔵(音羽屋)
陰陽師土御門有世:中村亀鶴(八幡屋)
茶道珍才:澤村宗之助(紀伊国屋)
同重才:大谷廣太郎(明石屋)
北野の方:片岡千壽(松嶋屋)
畠山左馬之助:市川染五郎(高麗屋)
執事一色蔵人:市村橘太郎(橘屋)
執事日野忠雅:松本錦吾(高麗屋)
明の使節雷春:澤村由次郎(紀伊国屋)
廉子:市川高麗蔵(高麗屋)
足利義満:河原崎権十郎(山崎屋)
入江:中村雀右衛門(京屋)

義教が将軍になり、没落するまでをスピーディーに描いた作品とのことですが、そこまでスピーディーな感じはせず。一幕目の最後、馬上の義教の悪い顔は流石。お助け坊主の珍才重才を呼ぶ時に珍才が「小さ〜い」と聞こえるのも怖い。幕間後はいきなり廉子は死んでおり、義満は元気に。ある意味、ぶれない意志で、男に溺れる北野の方はちょっと羨ましくも感じます。父2人、兄、さらには珍才重才まで殺害。能楽『鵜飼』の後ジテ、閻魔大王の衣装での立廻りが格好良い。入江の自害は、義教に何かを訴える効果はあったのか。「魔道に落ちても閻魔大王」、最後に首を切れなかった安積行秀の心中は如何に。この時代に自分で手を下すだけ偉いような気もしますが、最後に自分を殺すはめになるのは道理か。面白くは拝見しましたが、記憶には残らなさそうな演目でした。

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