ゴールデンウィークのど真ん中、とても良いお天気の中、浅草の木馬亭で「浪曲木馬亭 企画公演 二代目東家浦太郎一周忌会」を拝見しました。東屋浦太郎さんは存じ上げませんでしたが、客席も8割ほどの入りと好評です。
「鰍沢」東家恭太郎/曲師:水乃金魚
落語でもお馴染みの演目、落語だと鰍沢に落ちた新助が材木で助かったところで下げるのですが、浪曲は後日譚も。数年後、棟梁になった新助のもとに女乞食が物貰いにやってくる。その女がお熊だと気付いた新助、一度は手を上げようとするものの、気を落ち着けて施しをする。罪を憎んで人を憎まず。お熊の後ろ姿で終わるのが切ない。
「入れ札」東家考太郎/曲師:伊丹明
侠客の浪曲が似合う小粋な風貌、国定忠治が逃亡のために連れて行く子分を「入れ札(投票)」で選びますが、古株の稲荷の九郎助は、自分が選ばれないのを察して、ルール違反をして自分で自分の名前を書いてしまう。開票後、弟分の弥助にそのことがバレてしまうという、これまた切ない話。
「男一匹 天野屋利兵衛」天中軒雲月/曲師:伊丹秀敏
3人で頻繁に会をしていた澤孝子さん東家浦太郎さんが2人とも昨年逝ってしまってという話からして泣きそうに。町奉行の松野河内守が利兵衛の7歳の子供吉松を火焙りにする場面は、苦しいが。最終的には2人の駆け引きにより、赤穂浪士の仇討ちは成功することに。醸し出す包容力が素晴らしい。
「野狐三次 親子対面」東家一太郎/曲師:東家美
浅草寺に野狐模様の産着にくるまれ捨てられたのを大工夫婦に拾われ、火消しとなった野狐三次が、仇討ちの裁きを機に、実父である江戸南町奉行筒井伊賀守実と出会う話。
「寛永宮本武蔵伝 吉岡治太夫」神田菫花
超マイペースな講談でちょっと退屈。。。
「関取稲川重五郎江戸日記」瑞姫/曲師:伊丹秀敏
先月木馬亭で拝聴した「稲川次郎吉 出世相撲」と同じ内容、演じる方により外題が違うのか。顔立ちのはっきりしたお綺麗な方でファンが多そう、声も大きいのも良いです。個人的には声質のためか、女性浪曲家の方が好きなのかも。今日一番印象に残りました。
「二代目東屋浦太郎一代記」一太郎、孝太郎、恭太郎掛け合い浪曲/曲師:美、明、金魚
珍しいと思われる浦太郎さんのお弟子さん3人(東家ボーイス)での掛け合い浪曲。12歳で東家楽浦に弟子入りし、東家浦清、太田英夫と名を変え、1995年に二代目東家浦太郎を襲名。ウィキペディアには記載されていない色々なことを知ることができました。途中で「清水次郎長伝」「一休禅師」「浪曲番外地 雪の網走」もちょっとだけご披露。二代目浦太郎、とにかく凄い方だたんですね。YouTubeで必ず拝見させていただきます。
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