一番大好きな鮨店「さわ田」の予約が全く取れなくなってしまったので、悲しい。。。そんな訳で久しぶりに新規開拓してみました。歌舞伎座裏にあるミシュラン2つ星の鮨店「木挽町 とも樹」にお伺いしました。以前舞妓さんがお店に入っていくのを見てからビビっていたのですが、入ってみれば気さくで見た目もほっこりな小林智樹親方が出迎えてくれて緊張感は全くなく、スッポンやフグも捌けるバリバリの料理人という奥様も非常に感じの良い方。
いただいたのは以下摘み16品、握り23貫、巻物1本。今までお伺いした鮨屋の中でボリュームは一番。摘みと握りが混合して出されます。
摘み「白魚、穴子串焼き、牡蠣、平目、真鯛、蛸、青柳、みる貝、ズワイガニ、子持ヤリイカ、帆立磯部焼き、鰹、梅大根手巻き、鯛あら汁、車海老頭、玉子」
握り「中トロ、アオリイカ、鯵、帆立、ムラサキウニ、鰹、赤身漬け、大トロ、椎茸、小肌、蝦蛄、金目鯛炙り、細魚、車海老、金目鯛昆布〆、〆鯖、煮蛤、鉄火巻き、干瓢巻き、穴子、玉子」
追加「赤身、白魚」
デザート「ブラッドオレンジ、さくらんぼ、フルーツレモン、鬼灯」
「白魚、牡蠣」白魚は宍道湖産、牡蠣は長崎県諫早産、白魚は子供が入った方が味わいが深いのかも、牡蠣は苦手な食材ですが、親方のおっしゃるようにバランスの良いお味。濃厚さはないもののミルキー感が良い余韻となっています。
「中トロ、アオリイカ、鯵」摘みの後に鮪から3貫握りを出すのが、「木挽町 とも樹」のスタイルだそう。鮪は下田の220kg、自信があると言うだけあり香り高く旨い。出始めの鯵は鹿児島出水産、ネギ、茗荷、生姜の薬味で、ちょっと水っぽくまだまだこれからという印象。
酢飯が特徴有ります。師匠である勝鬨「鮨さ々木」の佐々木啓全親方の酢の配合と全く変えていないそう。米酢を主(赤酢もほんの少し入っているそう)に、酢や塩が強調することのない円やかな味わい。鮨を食べた後味に、塩による不快感を感じることはありますが、それは一切無く砂糖由来と思われる優しい余韻が残る。温度は人肌、硬さもバランス良く、当時のシャリを食べたことはありませんが、どの種とも寄り添い、何か懐かしさを感じる、食べ飽きないシャリです。
「平目、真鯛、煮蛸、青柳、みる貝」平目は朝締め、淡路の真鯛は1日置いたもの、神奈川県佐島産、三重県の青柳、愛知県のみる貝と流石に刺身は旨い。蛸はやや温度が冷たく感じました。
「ズワイガニ」この時期にズワイガニが出てきて驚きました。既に禁漁期間ですが、水槽で生かしてあった鳥取のもの。量感も十分で味噌も美味。日本酒は北雪、豊盃を熱燗でいただいたのだが、初めて飲んで面白かったのは愛媛県の梅錦山川の「梅錦 樽酒」、16日間だけ樽に入れた吟醸酒、樽香のキレが良くて美味しい。
「子持ちヤリイカ」青森県鯵ヶ沢産、この時期の絶佳!こういうクラシックな仕事は良いですね。旨味が詰まった煮汁も飲み干します。素晴らしい。
「帆立、ムラサキウニ、鰹」江戸前にこだわらず帆立も使うのか、同じ素材で握り、摘みと出されるので量は増える。北海道の天然帆立は瑞々しく美味、プラスチックケースに小分けされた函館のミョウバン不使用のムラサキウニは初めて見ました。ミョウバン不使用ですが、形状はしっかり、ウニ本来のピュアで濃厚な旨味。絶品。和歌山の鰹はまだまだこれからという印象。
「椎茸、小肌、蝦蛄、金目鯛、車海老、穴子、玉子」椎茸まで出すか。小肌は中におぼろを入れて、上に爪肉を乗せた蝦蛄は美味、金目鯛は脂の多い腹は炙り、背中は昆布〆、2種類の握りで。車海老は半生な茹で加減で甘まみたっぷり、穴子はいまいちでしたが、玉子を握りにしていただけるのは嬉しいです。親方は見た目は緩慢そう(失礼!)ですが、握るスピードは高速、種によりシャリの大きさはバラ付きが大きいですが、鮨の形も綺麗ですね。
鮪、ムラサキウニ、子持ちヤリイカが絶品でございました。交互に鮨と摘みが出るお店は苦手ですが、美味しいならいいかも。是非とも握りだけで、お昼やってくれませんかね。ごちそうさまでした。
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