令和6年5月文楽公演 Aプロ『寿柱立万歳』『和田合戦女舞鶴』『近頃河原の達引』シアター1010

令和6年5月文楽公演 Aプロ『寿柱立万歳』『和田合戦女舞鶴』『近頃河原の達引』シアター1010

北千住のシアター1010で「令和6年5月文楽公演 Aプロ」初日を拝見しました。

配役

令和6年5月文楽公演 Aプロ『寿柱立万歳』『和田合戦女舞鶴』『近頃河原の達引』シアター1010

1本目は短い舞踏劇、おめでたい演目『寿柱立万歳』です。最後の「まっちゃらこ」「べっちゃらこ」の掛け合いはなかなかの下衆さで大阪の芸能らしい。

豊竹呂太夫改め十一代豊竹若太夫襲名披露口上
呂勢太夫さんのきりりとした司会にて、何でも器用にこなすのが凄い。まずは大夫の部から錣太夫さんの口上、鶴澤寛治師匠と先代の若太夫師匠が馬が合ったという話、そこから競馬の話につなげるのはマクラを振る落語家のよう。続いて三味線の部から團七さんの口上、新若太夫さんは先代若太夫さんのお孫さん、血統書付きの若様だという話。文楽で最年長という團七さん、今年89歳!お若く見えます。最後は人形の部から新若さんと同期入門の勘十郎さん、リオデジャネイロに公演で行った時、世界中の美女が集まる浜辺で嬉しそうにキョロつくゆうちゃん、おかげで顔は綺麗に焼けていたという話。皆様しっかり笑いを欲しがる心意気が素晴らしい。

2本目は襲名披露公演『和田合戦女舞鶴』、東京での人形付きの公演は35年ぶりだそう。ストーリーはわかりやすいですが、身替わり子殺し物の中でも、かなり酷な内容。通しで見れば、女武者の板額とのコントラストも凄いと想像しますが、大人たちの思惑に翻弄され、十一歳にして、自ら自害を選ぶ、選ばせる辛さは想像できるわけもなく、とにかく涙が流れてどうしようもない。若太夫さんと清介さんの冷静な語りと三味線が、勘十郎さんの遣う板額から伝わる苦しみを際立たせる。

3本めは『近頃河原の達引』、心中物ですが、最後はハッピーエンドだとか。途中眠気が凄く、道行では記憶が無くなりましたが、2匹の猿の可愛さ、妹と伝兵衛を間違えたりする与次郎の愛嬌、母の決意と盛り沢山でとっ散らかった内容。Bプロの『ひらかな盛衰記』も楽しみにしております。

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